SNSで見る人気の髪色はブリーチをしていることがほとんど。
ブリーチはヘアカラーを綺麗に見せるのが大きな特徴です。
ただネックなのは髪の「傷み」。
ダメージが強く正しい知識を持っておかないと、髪がチリチリになる可能性があります。
そこでこのページでは、ブリーチの仕組みやメリット、施術後のケア方法を解説。
ダブルカラーとの違いや、市販と美容院の違いも紹介しています。
ヘアスタイルを十分に楽しむためにも、ヘアブリーチの正しい活かし方を知っておきましょう。
【この記事でわかること】
- ブリーチは髪の色を抜く施術。染めるのとは違う
- ダブルカラーはブリーチ後にヘアカラーを行うこと
- 知っておきたいブリーチのメリット・デメリット
- ブリーチ後に必須の自宅でのヘアケア方法
ブリーチとは髪の色素を抜くこと
ブリーチとは、専用の薬剤で髪の色素を抜く施術です。
そもそも髪の色素は、「黒系のユウメラニン」と「黄色系のフェオメラニン」という成分から構成されています。

ヘアカラーのようにカラー剤で髪を染めるのとは違い、ブリーチは髪色を“抜く”のが主な役割。
黒系のユウメラニンが破壊して《黒色⇒茶色⇒金色⇒白色》と髪色が変化させます。
ちなみに、美容院で施術する場合の頻度や相場価格は下記の通りです。
- 施術頻度:2〜3ヶ月に1回
- 値段の相場:髪全体で6,000~8,000円
ダブルカラー(ブリーチ+カラー):12,000~14,000円
1ヶ月に1cmほど黒い髪が生えてくるので、頻度は2〜3ヶ月に1回が目安。
施術範囲やセットメニューによって変わりますが、1万円前後が平均的な相場といえるでしょう。
「ダブルカラー」はブリーチ後にヘアカラーをすること
美容院のメニューでブリーチとセットになっているダブルカラーは、ブリーチ後にカラー剤で色を付け足す施術を指します。
前述したように髪はメラニン色素で暗くなっているので、髪色が黒いと明るめの色に染まらないんですね。
真っ黒の画用紙に赤色のペンで色を塗っても目立ちませんよね。
同じようにブリーチなしで髪の毛が黒いままだと、カラーリングがイメージ通りの色になりにくいのがネック。
- ヘアカラーで発色のいい髪色にしたい方
- ハイトーンカラーに染めたい方
- ヘアカラーの選択肢を広げたい方
上記のように、発色のいい絶妙なカラーを入れたいなら、1度ブリーチして髪色を抜くのがベターです。
特にオレンジ系の色や赤味のない色、透明感のあるカラーにしたい方は、ダブルカラーにすることで満足のいく仕上がりになりますよ。
発色の良さが魅力!髪をブリーチするメリット4つ
先述の通り、カラー剤の発色を効果的に引き出せるのが髪をブリーチする大きなメリット。
- ヘアカラーが染まりやすく発色が良くなる
- ハイトーンカラーが表現できる
- ヘアカラーのバリエーションが増える
- 透明感のある髪色に仕上げられる
ブリーチで髪の色素を抜けばカラーが入りやすくなり、ブリーチなしよりも発色をグッと引き立たせてくれます。
微妙な色合いのアッシュカラーから、ビビッドなカラーまで発色しやすくなりますよ。
さらに、日本人特有の濃く暗い色味が抜けることで、透明感のある柔らかなヘアカラーに仕上がりに。
ハイトーンカラーをはじめ人気の青系・ホワイトカラーなど、様々なヘアカラーが楽しめるのもうれしいですね。
またブリーチをメッシュ状に入れて立体感を出したり、部分的に入れてニュアンスを楽しんだりできるのもポイント。
トレンドから個性的なヘアカラーまで思いのままの仕上がりにするには、ブリーチは欠かせない工程といえますね。
ブリーチのデメリットは傷みやすい
逆に、ブリーチは強い薬剤を使うため髪が傷みやすいのがネック。
- 髪が傷みやすい
- パーマや縮毛矯正の併用ができない
- 肌が弱いと頭皮トラブルにつながる
- ヘアカラーが色落ちしやすい
ブリーチをやりすぎると髪をコーティングしているキューティクルが失われます。
最悪の場合、髪の毛が溶けてちぎれてしまうことも…。
髪の毛へのダメージが大きいので、パーマや縮毛矯正との併用ができません。
肌が敏感な方だとピリピリした痛みを感じることも多いです。
肌が弱い方は、美容師さんとよく相談しましょう。
またブリーチによるダブルカラーは発色が良くなる反面、ダメージによる色落ちが早いのも欠点。
ブリーチ後はダメージを軽減させたり、色持ちをよくしたりするためにも、ヘアケアの見直しが必須ですよ。
髪の毛のブリーチ後のセルフケア方法
先述の通り、ブ少なからず髪が傷むブリーチ後はダメージケアの徹底が大切です。
ふだんの洗髪方法や髪の乾かし方を見直して、キレイな髪色をキープしましょう。
- 【シャンプー】アミノ酸系シャンプーで正しく洗う
- 【トリートメント】ホホバオイルやアルガンオイルを使う
- 【ドライヤー】入浴後に素早くドライヤーで乾かす
シャンプー:マイルドな洗浄力のシャンプーで優しく洗う
まずブリーチでダメージを受けた髪の毛は、アミノ酸系のシャンプーで洗うのがおすすめ。
マイルドな洗浄力で髪の毛の負担になりにくく、必要な油分コントロールしてくれるので保湿性に優れています。
ブリーチのダメージによって失った髪の毛の栄養(タンパク質)を補う、補修効果も期待できます。
アミノ酸系シャンプーを購入する際は、パッケージの成分表示を要チェック。
たくさんの種類がありますが、ココイル〇〇・ラウロイル〇〇と記載があればアミノ酸系と判断してOKです。
先頭か水の次に表記されているシャンプーを選ぶといいでしょう。
【成分表示】
- ココイル加水分解コラーゲンK
- ココイル加水分解コラーゲンNa
- ココイル加水分解コラーゲンTEA
- ココイルメチルタウリンNa
- ココイルメチルタウリンK
- ココイルメチルアラニンNa
- ココイルメチルアラニンTEA
- ココイルグルタミン酸Na
- ココイルグルタミン酸2Na
- ラウロイルメチルタウリンNa
- ラウロイルメチルタウリンK
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルメチルアラニンTEA
「アミノ酸系シャンプー」と記載されている場合もあるので、目印にしてみてくださいね。
髪に優しい洗い方で色落ちを防ぐ
ブリーチ後は髪を傷ませないやさしい洗い方を心がけるのも大切です。

- ブラッシング/38度ほどのお湯で予洗いする
⇒毛先から髪の絡まりをとく
⇒頭皮を揉み込んでマッサージ - シャンプーを泡だてて、全体に馴染ませる
- 指の頭をスライドさせながら頭皮を揉み洗いする
- しっかりとシャンプーをすすぐ
特にブリーチ後のシャンプーは、ブラッシングと予洗いがポイント。
ブラシで汚れを浮かして、湯洗いでしっかり洗い流すだけで約8割の汚れが落ちます。
ゴシゴシと洗う必要がないので、摩擦による髪の毛への負担を防げますよ。
マッサージするイメージで、指の頭を使って揉むように洗いましょう。
ちなみに、ダブルカラーをした当日はシャンプーを控える方がベター。
カラー剤が定着しきっておらず色落ちを早める可能性があるので、翌日からシャンプーをするのをおすすめします。
【色落ちが気になる…綺麗な髪色をキープするメンテナンス方法】
ダブルカラーの色味が落ちてきたら、紫シャンプーやカラーシャンプーを使うのもあり。
染料が含まれたシャンプーなので、普段通りに頭を洗うだけでカラーを補えます。
紫シャンプーやカラーシャンプーも、アミノ酸や保湿成分が配合されているかをチェックしましょう。
染料だけでなく、栄養も髪に浸透させることができますよ。
トリートメント:補修・保湿ダブルの徹底ケア
ブリーチ後はインバストリートメント・アウトバストリートメントの両方でケアするのが理想です。
- インバストリートメント(洗い流すトリートメント)
⇒髪に水分・栄養分を与える - アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)
⇒表面をコーティングしダメージから髪を守る
インバストリートメントで失われた水分や栄養分を補い、アウトバストリートメントで髪をコーティングして閉じ込めます。
”栄養を与える+守る”のWトリートメントで徹底的にケアできますよ。
注目するべき成分はホホバオイル、アルガンオイル、シアバター。
髪質問わず使いやすく、保湿効果に優れています。
またセラミド ・ヒアルロン酸といった保湿成分がプラスされていれば、一段と髪のダメージ補修に効果的ですよ。
効果を引き出すトリートメントの使い方
正しいトリートメントの使用方法を覚えて、効果を最大限に引き出しましょう。
【洗い流すトリートメント】

- シャンプー後に髪の毛の水気を切る
- 髪の中間から毛先までトリートメントをつける
- 毛先をよく揉み込む
- 5分ほど放置して洗い流す
【洗い流さないトリートメント】

- タオルドライする
- 髪のもつれをやさしくほどく
- 毛先を中心にトリートメントをつける
- ドライヤーで髪の毛を乾かす
トリートメントは、毛先~中間によく馴染ませます。
くるくるねじったり、もみ込んだりすると効果的です。
洗い流さないトリートメント放置中はホットタオルでくるむと、熱でトリートメント成分が浸透*しやすくなりますよ。
(*髪の表面部分であるキューテュクルまで)
入浴後は、水滴が落ちてこなくなるまで髪の毛を絞るのがポイント。
タオルで髪を挟み込こんでプレスするように、パンパン叩いてもOKです。
髪をとかすときは手ぐしで優しく髪のもつれをほどくか、毛先からやさしくブラシでときます。
切れ毛を引き起こしかねないので、無理に引っ張らないように注意してください。
髪を整えたら、洗い流さないトリートメントを毛先~中間にかけてなじませます。
ドライヤーの熱ダメージから髪を守ってくれるので、ブリーチ後のケアに最適ですよ。
ドライヤー:入浴後に素早くドライヤーで乾かす
髪の毛をできるだけ早く乾かすのが、ブリーチ後のダメージを悪化させないコツ。
ブリーチ後は、髪の毛が乾きにくくなります。
髪の内部の栄養や水分が抜けスカスカの状態になり、スポンジのように水分を吸いやすくなるんですね。
実は、髪は濡れたままだと乾いている状態より傷みやすくなります。
熱風で早く乾かしたいところですが、以下の正しい手順で乾かすことが大事です。

- ドライヤーを20cmほど離し、髪を持ち上げて地肌から乾かす
- 地肌・根元が乾いてきたら、毛先も乾かす
- 全体の8割ほどが乾いたら、弱温風で前髪を乾かす
- 仕上げに冷風で髪全体を乾かす
ドライヤーは本体を左右に振りながら風を当てましょう。
一点に温風をあてていると、熱が集中して傷みやすくなります。
もちろんドライヤーを使う際も手をガシガシと動かさずに、やさしく乾かしてくださいね。
乾かす順番は、髪の根元が先。
襟足→耳上と乾きにくい箇所から順に乾かすのがダメージを防ぐポイントですよ。
途中で髪が絡まってしまったら、目の粗いブラシでやさしくとかしましょう。
最後に冷風を当てて、キューティクルを閉じたら完了です。
冷風で仕上げることで余熱による乾かしすぎを防ぐだけでなく、ツヤが出る効果も期待できますよ。
髪の毛のブリーチに関するQ&A
Q1.市販のブリーチ剤でセルフでも色はキレイに抜ける?
A.市販のブリーチでも、髪色を抜くことはできます。ただ仕上がりや髪のダメージを考えるとおすすめできません。
Q2.ブリーチは1回でも色が抜けて白くなる?
A.初めてのブリーチだと、1回で白っぽい髪色にするのは難しいです。
髪の毛の色を抜くブリーチ。
ヘアカラーの発色が良くなるだけでなく、カラーバリエーションを広げることが可能ですよ。
ただ髪ダメージはかなり受けるので、ヘアケアは今まで以上に頑張りましょう。
【ブリーチ後のヘアケア方法】
- シャンプーは髪に優しいアミノ酸系にする
→成分表示「ココイル~・~ラウロイル」をチェック - 洗い流すトリートメント+洗い流さないトリートメント
→ホホバオイル・アルガンオイル・シアバターがおすすめ - 髪はすぐ乾かす
→根元・耳後ろ・襟足の乾きにくい部分から
→無理やり引っ張るのは禁物
またブリーチはセルフでは難しい部分があるので、美容院で対応してもらうことをおすすめします。
思い通りの髪色をゲットして、憧れのヘアスタイルを存分に楽しみましょう。
【参考献文】
DEMI,
『髪の基礎知識 vol.4「メラニンって何?」』
川口展弘,
『ヘアカラーの見え方見せ方組み立て方―見るだけで学べるテクニックブックヘアカラー編』,
文響社.2018/12/1
日本ヘアカラー協会,
『ヘアカラー入門』
新美容出版.2013/3/1
