鏡を見たときに、ふと白髪が目に止まることはありませんか。
一度目に付くと、気になって仕方がないですよね。
実は毎日使っているシャンプーや生活習慣が、白髪を招いていることも…。
そこで今回は白髪に効果的なシャンプーの選び方やケア方法を紹介します。
白髪が気になっている方は、参考にしてくださいね。
【この記事の監修者】
フリーランス美容師 / ヘアケアマイスター
コウキ さん
都内で活動しているフリーランス美容師。
美容知識・ヘアケアやケミカル分野に特化したヘアケアマイスターの資格取得。
2020年で美容師歴13年。
『ダメージレス』をコンセプトに、毎日のスタイリングが『楽しくなる/楽になるスタイル』を提案・提供する。
サロンでの実務経験とヘアケアマイスターとしての知識を活かした、ヘアケアなどについて執筆。
月間で約30万回読まれている個人ブログは、美容師や美容室の裏側の話も。
800を超える記事数があり、どれも短時間でサクッと読めるので、ぜひチェックして下さい。
白髪は治るの?白髪が生える仕組みを知ろう
白髪の原因は、色素を作っている細胞の機能低下や消失。

1.毛根の下部(毛母細胞)にあるメラノサイトで、メラニン色素に変化。
2.メラノサイトの機能が低下し、「メラニン色素を作れ」という指令が発されなくなり、白髪になる。
もともと髪は生えてくる時点で色はついていません。
いわば白髪は『髪本来の姿』です。
色がつくのは毛根で毛が成長する過程で、メラニン色素※を含むため。
(※)肌や毛髪、瞳の色を作る色素
つまり白髪は、メラニンを取り込めずに色がついていない状態の髪なんですね。
色素幹細胞の維持に関わる遺伝子の欠損や変異によって,あるいは加齢に伴って色素幹細胞の維持が不完全となると,毛母に色素細胞が供給されなくなり白毛症(白髪)を発症することが明らかになってきた.
とはいえ、1度白髪になったからといって一生そのまま…というワケでもありません。
特に途中から白髪になっている毛は、上記のような理由からメラノサイトの動きが休止しているだけの可能性も。
特に若白髪など、若年層であるほど髪の色を取り戻せる可能性が高くなりますよ。
白髪が気になるからといって抜くのはNG。
無理やり抜くとメラニンを作る細胞(メラノサイト)に傷がついて、最悪2度と髪が黒くならなくなります。
まずは白髪の原因を知ることが、正しい対策をするカギになります。
白髪になる原因3つ
白髪になる原因は大きく分けて3つ。
- 加齢
メラノサイトの動きが衰える
30代以降の方に多い
→男性平均…34歳
→女性平均…35歳 - 生活習慣
偏った食生活による栄養不足
ストレスによる血行不良
睡眠不足によるメラニン色素の欠乏
→10代~20代の方に多い - 間違ったヘアケア
洗浄力の強すぎるシャンプーを使う
ドライヤーを使わないなど
このように白髪の原因は加齢だけでなく、生活習慣も深く関係しています。
意識すれば改善・予防ができるので、まずは生活習慣から見直していきましょう。
白髪は遺伝するって本当?
「遺伝によって白髪が増える」の真相は、明確に解明されていません。
ただし、10代から白髪がある方は遺伝の可能性もあるとのこと。
とはいえ、ほとんどの方は加齢・生活習慣・間違ったヘアケアが原因であることがほとんどです。
まずはセルフケアで改善を目指し、効果が出なければ専門家に相談するのがいいでしょう。
白髪の予防は生活習慣の改善から
規則正しい生活を心がけると、白髪を予防できます。
見直すべき習慣があるかチェックしましょう。
続けることが大事なので、できる範囲で取り入れてくださいね。
白髪対策できる市販シャンプーの選び方
これ以上白髪を増やさないためには、毎日使うシャンプー選びも大切です。
パッケージの成分表示を確認して、成分に注目してみてくださいね。
- 頭皮に刺激の少ない洗浄成分のシャンプーを選ぶ
⇒アミノ酸シャンプーで皮脂バランスを整える - 白髪予防の有効成分が配合されているか確認する
⇒ヘチマン、メタリンでメラニン色素を活性化させる
刺激の少ない洗浄成分を選ぶ
シャンプーの主成分となる洗浄成分は、頭皮に負担の少ないものを選びましょう。
特にアミノ酸シャンプーは洗浄力がマイルドなので、白髪でお悩みの方におすすめ。
選ぶときは、以下の成分をチェックしましょう。
- ココイル~
- ラウロイル~
成分表示の先頭か水の次に上記の成分が記載されているとベターです。
パッケージに「アミノ酸系シャンプー」と記載がある商品もありますよ。
有効成分が入っているものを選ぶ
髪の色を作るメラニンを作る有効成分を選ぶのも、白髪対策に効果的。
下記の成分はどちらも、メラニン色素を作る色素細胞のはたらきを活性化してくれます。
- ヘマチン
(色素細胞メラノサイトの老化を防ぐ)
→30代以降で、加齢による白髪を改善したい方にオススメ - メタリン
(色素細胞(メラノサイト)を刺激して、メラニン色素を作る)
→今後生えてくる白髪の増加を予防したい方にオススメ
ちなみにすでに生えている白髪が気になるなら、後述の白髪染めシャンプーを使うのもアリ。
併用して使用するのも効果的ですよ。
》先に白髪染めシャンプーの詳細を見る
かえって白髪を促進させてしまう成分に注意
先述しましたが、刺激の強いシャンプーは白髪になる要因。
刺激が強い成分は、洗浄成分以外に防腐剤などにも含まれています。
洗浄成分 洗浄力が高く、皮脂を落としすぎてしまう |
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防腐剤 アルコール性の防腐剤 |
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殺菌成分 |
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刺激になりかねないので、避けてくださいね。
刺激になりかねない添加物を避けるのも大切。
無添加・無着色・無香料などの表示も合わせて確認しましょう。
ただ無添加と一言でいっても、刺激の強い成分が全て不使用なワケではありません。
特定の成分を一つでも使用していなければ、無添加と表示できます。
どんな成分が無添加かまで、しっかり確認してくださいね。
白髪を予防する正しい洗い方
シャンプーの効果を引き出すには、正しい方法で洗うことが大切です。
- ブラッシングで汚れを浮かせる
- お湯でしっかり予洗い
- シャンプーを手のひらで軽く泡立てる
- シャンプーを髪の根元に馴染ませる
- 指をスライドさせながらもみ洗い
(生え際▶頭頂部▶後頭部▶襟足)※指の腹で優しく洗う
→ガシガシと爪を立てて洗うのは絶対にNG!
→『シャンプー用ブラシ』も不必要! - つむじの上で手を組みもみ洗い
- 泡を地肌と髪に馴染ませたら泡パック(3分)
- しっかりすすぐ(シャンプーの倍時間をかける)
まず、ブラシは毛先が丸くなっているものを選びましょう。
先が尖っていると地肌を傷つける可能性があります。
シャワーの温度は35~38度のぬるま湯がベター。
40度以上だと、必要な油分も奪われます。
毛穴の汚れを落とすイメージで、予洗いしてください。
シャンプーの量はショートヘアは1プッシュ、ロングヘアは2プッシュでOK。
指の腹を使って優しくマッサージするように洗いましょう。
忘れがちな耳後ろも忘れずに。
最後につむじの上で手を組み、マッサージするようにもみ洗いします。
白髪対策は、すぐに洗い流さず泡で3分ほどパックをするのがポイントです。
もちろん最後は洗い残しがないように、しっかりすすいでくださいね。
クレンジング・美容液の頭皮ケアも効果的
頭皮環境を整えるプラスαのへアケアで、さらに効果を高めましょう。
▶頭皮クレンジング…頭皮をクリアな状態にする
▶美容液(ディープモイスチャー)…栄養を届ける
まずは栄養がしっかり行きわたるように、クレンジングで下準備。
毛穴に詰まった汚れを浮かせ、洗い流します。
しっかり汚れを落としたら、美容液で栄養を補給しましょう。
天然の植物エキス配合のものがおすすめです。
ビタミンA、C、Eを含むものが多く、傷ついた細胞を修復します。
栄養が行き届く環境を作ることで、より効果的に白髪の改善や予防ができますよ。
すでにある白髪は「白髪染めシャンプー・カラートリートメント」を使うのもアリ
生えてきた白髪が気になるなら、白髪を染めるカラーシャンプーを使うのも1つの手段。
使用する度に徐々に染まっていくので、自然な仕上がりになるのがメリットです。
- 手軽に染められる
- ナチュラルに染まっていく
- 白髪染めよりダメージが少ない
カラー剤のようにガッツリ染まらないので、違和感や不自然さも感じにくいです。
またカラー剤より刺激が少なく、頭皮ダメージのリスクを抑えることが可能。
肌が弱くて白髪染めを諦めていた方も使えますよ。
使い方は普段のシャンプーと同じ。
美容院に行く余裕がないときも、毎日洗うだけで白髪をカバーできます。
ただ即効性はないので、しっかり染めたい方は一度美容院でカラーしてもらいましょう。
数本ならば、根本から切るのもおすすめです。
他の黒い毛まで一緒に切ってしまわないように注意してくださいね。
カラーシャンプー、トリートメントの選び方
カラーシャンプーやトリートメントは、白髪染め専用を選びましょう。
頭皮をケアしながら、白髪をカバーできます。
さらに肌質や髪色に合わせて染料・カラーに注目してください。
放置時間や値段はメーカーによって異なります。
放置時間はゼッタイに厳守しましょう。
毎日使うものなので、自分が使いやすいアイテムを選んでくださいね。
天然染料だからといって、必ずしも安全というワケではありません。
人によっては思わぬ皮膚トラブルが起きてしまう可能性も。
特に、1度でもカブレた経験がある方は要注意です。

白髪はヘアケアや生活習慣の改善で予防ができます。
特に毎日使うシャンプーは大切。
頭皮の環境を整えて、白髪が生えにくい環境を作ります。
- 洗浄成分はアミノ酸系シャンプー
- 白髪を抑制する成分はヘチマン・メタリン
規則正しい生活を心がけながら、シャンプーを見直してくださいね。
正しケアで、美しい黒髪を目指しましょう。
参考献文
青木 仁美,
毛のメラニン化学と白髪化,
日本香粧品学会誌/42 巻 (2018) 1 号/ p. 9-14
西村 栄美,
色素細胞の新知見:白髪と色素幹細胞維持のメカニズム,
日本皮膚科学会雑誌/120 巻 (2010) 4 号/p. 849-853
斉藤 巌, 斉藤 哲夫, 沓沢 武, 斉藤 康子,
介護系高齢患者にみられた白髪の黒髪化とその背景,
心身医学/49 巻 (2009) 6 号/p. 665-
村田 奈緒子,中川 千春,監修 美香,
美髪力!,
株式会社 双葉社,2019,9,15
