髪が油っぽくベタつくと、ついつい何度も洗いがち…。
実は1日に何度も髪を洗う行為は、かえってベタつきを悪化させます。
「お風呂上がりでも髪が油っぽくなる」
「髪をしっかり洗っているのに、ベタつくのはなぜ?」
と悩んでいる方こそ、正しいヘアケアを続けることが大切です。
そこで今回は、髪が油っぽくなる原因と改善方法を紹介。
ベタつきを抑える応急処置についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 髪が油っぽくなるのは皮脂が原因!皮脂を増やす行動を解説
- 髪のベタつきを改善するシャンプーの種類・洗い方・乾かし方
- 睡眠や食習慣も重要。髪のベタつきを予防する生活習慣のポイント
髪が油っぽくなる原因は洗いすぎ
そもそも「髪が油っぽい」とは、髪がテカって見えたり、スタイリング剤をつけたように束間ができたりする状態のこと。
特に下記に心当たりがある方は、髪が油っぽくなりやすい傾向があります。
- 配合成分など気にせずシャンプーを選んでいる
- 髪がベタつくからと何度もシャンプーをしている
- 脂っこい食事が多く、生活サイクルが乱れている
髪がベタついて油っぽくなるのは、皮脂の過剰分泌が原因です。
皮脂の分泌量は、何気ない生活習慣と深い関わりがあります。
原因 | 詳細 |
---|---|
シャンプーが合っていない | ・油分が多いシャンプーを使っている ・脂性肌なのに洗浄力が弱いシャンプーで皮脂残りがある |
髪を洗いすぎている ⇒洗浄力の強いシャンプーの使用や複数回の洗髪 | 必要な皮脂まで落として頭皮が乾燥し、過剰に皮脂を分泌する |
ゴシゴシとこすって髪を洗っている | |
脂っこい食事が多い | 皮脂を抑えるビタミンB2・B6が減少する |
生活習慣の乱れ ⇒ストレス、喫煙、睡眠不足、運動不足など | ホルモンバランスが乱れ、皮脂を分泌する男性ホルモンが増える |
髪がベタつく大きな原因の1つがシャンプー。
入浴後や寝起きに髪が油っぽくなるなら、洗髪を見直すべきでしょう。
ベタつきが気になるからと、2度洗いやゴシゴシ洗いはNG。
外部刺激から守るために余計に皮脂が分泌され、髪が油っぽくなってしまいます。
さらに肌質に合わない洗浄力のシャンプーを使っていると、汚れの洗い残し・皮脂の洗いすぎで皮脂バランスを崩しかねません。
また、食習慣や生活習慣の乱れも髪がベタつく要因。
ビタミンB群の不足や男性ホルモンの増加によって、皮脂の過剰分泌を助長しかねません。
特に女性の方は、ホルモンバランスの変化によって妊娠前後や生理前後に皮脂分泌が増えることもあります。
まずはベタつきの原因をしっかり見直して、正しいケアをするのが大切です。
【髪のベタベタは頭皮トラブルの元】
油っぽい髪を放置していると、フケや抜け毛、臭いといった症状につながる恐れがあります。
上記の通り、髪のベタつきは頭皮の皮脂が原因。
頭皮環境が悪くなっている証拠なので、悪化すると頭皮トラブルを起こしやすいというわけです。
フケや抜け毛といった症状が出る前に、正しいヘアケアで対策していきましょう。
髪が油っぽい時の応急処置!あると便利なアイテム2つ
髪の毛が油っぽさを今すぐ改善したいなら、ヘアアイテムで応急処置しましょう。
- ドライシャンプー:皮脂を吸着して髪や頭皮のベタつきを緩和させる
⇒スプレータイプがおすすめ - パウダーワックス:髪の立ち上がりを整えマットな質感にする
ドライシャンプ―は頭皮のベタつき・髪が束になりやすい方におすすめです。
皮脂を吸収してベタつきを抑え、髪をサラサラにします。
名前に「シャンプー」とついていますが洗い流す必要はなく、場所を選ばずに髪を清潔にできますよ。
ちなみにドライシャンプーに含まれる「デンプン」などの成分が皮脂を吸収することで、ベタつきを緩和できる仕組み。
シュッと吹きかけるだけで使えるスプレータイプが使いやすいでしょう。
また皮脂でペタンとなった髪の毛をふんわりさせたい方は、パウダーワックスが向いています。
ベタかずふんわりと髪にボリュームを与え、マットな質感にしてくれるヘアアイテム。
粉末タイプ・クリームタイプ・スプレータイプなど、バリエーション豊富で使いやすいものをチョイスできます。
いざというときのためにカバンに携帯しておくと、すぐに対処できて便利ですよ。
ドライシャンプーやパウダーワックスが無い時は、代用アイテムでも対処できます。
- ボディシート
- ウェットティッシュ
- フェイスパウダー
ベタつきが気になる部分をオフしたいときは、ボディシートやウェットティッシュを使うのがおすすめ。
頭皮・首筋・フェイスラインなど、髪をかき分けながら拭き取りましょう。
またウェットティッシュは爽やかな香り付きを選ぶと、ニオイカバーができます。
フェイスパウダーやファンデーションは、前髪のベタつき対策にもってこい。
生え際の皮脂をしっかり叩き込むのがポイントです。
ベタつき改善には正しいヘアケアが大切
髪の毛の油っぽさを改善するには、正しいヘアケア方法を毎日続けるのが大切。
皮脂バランスを整えるには、「自分に合うシャンプーを選ぶ」「正しい髪の洗い方・乾かし方をする」のが欠かせません。
ここからはステップごとに、ヘアケアのポイントをお伝えしていきます。
- シャンプーの選び方
⇒洗浄力が強すぎない肌質にあった種類を選ぶ - シャンプーでの洗い方
⇒お湯の温度やブラッシング・湯洗いがポイント - 入浴後の髪の乾かし方
⇒できるだけすぐ・根元からしっかり乾かす
シャンプー:肌質にあった洗浄成分を選ぶ
まず肌質にあったシャンプーの選び方をチェックして、シャンプーの種類を見直してみましょう。
脂性肌なのか乾燥肌なのかで、適したシャンプーの種類が変わってきます。
【脂性肌】
- 石けん系
⇒成分表の記載「石けん素地、カリ石けん素地、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸エステル」 - アミノ酸系
⇒成分表の記載「ラウロイルメチルアラニンNa、ラウロイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルアラニンTEA」
※ラウロイル〇〇、ココイル〇〇と名のつく成分
【乾燥肌】
- アミノ酸系
⇒成分表の記載「ラウロイルメチルアラニンNa、ラウロイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルアラニンTEA」
※ラウロイル〇〇、ココイル〇〇と名のつく成分 - ベタイン系
⇒成分表の記載「コカミドプロビルベタイン、ラウロイルプロビルスベタイン、ココアンホ酢酸」
【共通して確認しておきたい保湿成分】
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- グリセリン
もともとオイリー肌で頭皮や髪がベタつきやすい方は、さっぱり洗い上げる石けん系シャンプーがおすすめ。
石けん系だとパサつきが気になるのであれば、やや洗浄力がマイルドなアミノ酸系を試してください。
乾燥肌・普通肌で髪の毛のベタつきが気になる方は、アミノ酸系のシャンプーをチョイス。
不要な皮脂だけ洗い流してくれるので、乾燥による皮脂の過剰分泌を対策できます。
主成分が肌とおなじ弱酸性なので、うるおいを逃しません。
頭皮の乾燥がひどい方は、低刺激のベタイン系シャンプーがおすすめです。
油っぽい髪を改善している間は、「高級アルコール系シャンプー」を避けましょう。
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
上記は必要な皮脂まで洗い落とす可能性が高く、皮脂の過剰分泌を促しかねません。
特に市販の安いシャンプーに含まれていることが多いですよ。
洗い方:シャンプーをつける前の予洗いが大切
頭皮を労わりながら髪のベタつきを抑えるなら、以下の手順で洗いましょう。

- 髪の毛を軽くブラシでとかす
- 38度のお湯で3分ほど予洗いする
⇒頭皮を揉むように洗いしましょう - シャンプーを髪の中間につけ、根元から空気を入れるように泡立てる
- こめかみから頭頂部に向かって、ジグザグに指を動かす
- おでこから頭頂部に向かって、ジグザグに指を動かす
- うなじから頭頂部に向かって、ジグザグに指を動かす
- 頭頂部を指で包み込み、マッサージするように洗う
- 頭皮からしっかりシャンプーをすすぎ落とす
髪を洗うとき、いきなりシャンプーをつけて洗い始めるのはNG。
まずはブラッシングで汚れを浮かせ、汚れや皮脂を洗い流しやすくしましょう。
シャンプーを髪につける前の予洗いは、特にしっかりすることが大事。
「お湯だけで洗って意味があるの?」と思うかもしれませんが、予洗いで頭皮汚れの約70~80%が落ちます。
シャンプーで過剰に洗う必要がなくなりますよ。
頭皮を洗う際は、爪を立ててゴシゴシ洗うのはNG。
頭皮に負担がかかり皮脂量が増えてしまうので、指の頭でやさしく揉むように洗いましょう。
ちなみに頭皮の保湿に必要な皮脂を保つために、お湯の温度は38度前後が理想ですよ。
頭皮クレンジングで蓄積した汚れを落とす
ベタつきがうまく取れない方は、頭皮クレンジングを試してみてください。
お風呂上がりから髪に油っぽさがでてくるなら、頭皮に皮脂がたまっている可能性があります。
頭皮クレンジングは、頭皮にたまった皮脂や汚れを落とすアイテム。
通常のシャンプーと同じように使えるものや、クレンジング剤のようにシャンプーの前に使用するタイプがあります。
種類も様々ですが、ベタつきが気になる方には「炭酸タイプ」がおすすめ。
きめ細かい炭酸の泡が普段のシャンプーでは落ちにくい汚れを吸着し、浮き上がらせてくれます。
シュワシュワした使用感を楽しめ、スッキリした洗い心地ですよ。
乾かし方:自然乾燥NG!すぐ乾かす
最後に忘れてはならないのが、入浴後の髪の乾かし方。
正しい方法で乾かさないと頭皮環境の悪化や頭皮の乾燥で、髪のベタつきにつながります。
髪の毛の正しい乾かし方が以下のステップです。

- 水滴が落ちない程度までタオルドライをする
- ブラシでかるく髪の毛をとく
- アウトバストリートメントを毛先につける
- 髪の根元から毛先に向かって乾かす
- 8割ほど乾いたら弱温風で前髪を左右から乾かしていく
- 冷風で髪全体を乾かして仕上げる
アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)は、バージン毛のベリーショートなら不要です。
ただし髪の長い方やカラー・パーマヘアであれば毛先がパサつきやすくなるので、アウトバストリートメントでのヘアケアが必要になります。
(参考:医療用かつら・女性用ウィッグ専門店With「夏は皮脂が出るから洗い流さないトリートメントは不要って本当?」)
また髪がベタつきやすい方は、クリームタイプ・ミルクタイプのアウトバストリートメントがおすすめ。
油分と水分のバランスがいいので、ベタつきにくいです。
ドライヤーで髪を乾かす際は、根元から乾かすのがポイント。
生乾きだと雑菌が繁殖したり、付着した水分と一緒に頭皮の水分も蒸発し乾燥を助長したりしかねません。
最後に冷風を当てることで髪のキューティクルが引き締まり、さらさらの仕上がりになりますよ。
髪の油っぽさを予防する生活習慣
正しい生活習慣を心がけて、髪のベタつきを予防するのも重要です。
1度自分のライフスタイルを見直して、無理のない範囲で取り入れてみてください。
【皮膚炎の可能性に注意】
ヘアケアや生活習慣を見直しても髪の油っぽさが改善しない方は、皮膚炎の可能性が考えられます。
「脂漏性皮膚炎」という湿疹が、代表的な例。
頭皮の皮脂が多くなりすぎることで起こる皮膚炎で、頭皮のベタつきやフケの症状があります。
髪のベタつきだけでなく、かゆみや抜け毛の症状があるなら一度病院で相談してください。
髪が油っぽくなるのは、皮脂の過剰分泌が原因です。
髪を洗いすぎると、かえってベタつきが悪化しかねないので要注意。
今すぐ油っぽさをなくしたいなら、市販されているドライシャンプーやパウダーワックスがで応急処置しておきましょう。
ただ根本的にベタつきを改善するには、正しいヘアケアを続けることが必要不可欠です。
◎髪が油っぽい時の応急処置
- ドライシャンプー:皮脂を吸着して髪や頭皮のベタつきを緩和させる
- パウダーワックス:髪の立ち上がりを整え、マットな質感にする
◎髪のベタつき改善を改善するヘアケアのポイント
- シャンプーの選び方をおさらい
→【脂性肌】石けん系・アミノ酸系シャンプー
→【乾燥肌】アミノ酸シャンプー・ベタイン系シャンプー - シャンプーでの洗い方をおさらい
→38度後のお湯でしっかり洗い流す - 入浴後の髪の乾かし方をおさらい
→すぐ乾かす・トリートメントは毛先のみ
また、生活習慣を見直してベタつきを予防するのも欠かせません。
「ビタミンB群を意識して摂る」「夜にしっかり眠る」など、皮脂を増やさないライフスタイルを心がけてくださいね。
参考献文
CREAGE TOKYO エイジングケアクリニック
「頭皮がベタ付く脂漏性皮膚炎(脱毛症)の原因と対策」
