最近、ヘアケアの1つとして「髪質改善」が大注目されています。
“髪質改善トリートメント”として、美容院の施術メニューで見かけたことがあるかもしれません。
傷んだ髪をツヤツヤにする方法のことで、パサつきや縮れ、切れ毛などに悩む方は試す価値アリです。
ただ「トリートメント代が高くて、頻繁に美容院に通えない…」という方も多いでしょう。
そこで今回は、自宅で出来るセルフ髪質改善の方法を詳しく紹介。
さらに、知らず知らずに髪を傷めているNG習慣も解説しています。
理想の髪質に近づきたい方はもちろん、美容院のトリートメント効果を持続させたい方も要チェックですよ。
【この記事で分かること】
- 髪質改善=髪の手触り・見た目を改善する方法!ホームケアでもできる!
- 摩擦や熱が原因かも…髪を傷めるNG習慣をチェック
- 毎日のシャンプー・トリートメント・ドライヤーで髪質改善するポイント
- 生活習慣も大切!食事や睡眠が髪質改善のカギ
髪質改善とは?そもそもセルフでできる?

冒頭の通り、髪質改善とはヘアケアで癖やうねり、ゴワつきを改善すること。
トリートメントや縮毛矯正など、一見サロンでしかできないイメージがありますよね。
実はシャンプーの選び方・洗い方や生活習慣を見直すことで、セルフケアも可能です。
髪の手触りや見た目の改善については、ホームケアでも効果が見込めますよ。
- ヘアケア・セットの手入れが楽になり時短になる
- ゴワつきが抑えられて、見た目が綺麗に見える
- 潤いのある髪になることで、髪が乾きやすくなる
- ヘアカラーの持ちが良くなる
- 美容院に通う手間やコストをカットできる
まず、毛髪のハリやコシを整えてパサつき・ゴワつきなどの悩みを改善します。
見た目が良くなるのはもちろん、夜のヘアケアや朝のスタイリングの時短にも◎
さらに、美容院後のヘアカラーやトリートメントの持ちを良くする効果も期待できます。
高くつきがちな美容院代もカットできるので、お財布にもやさしいですよ。
まずは普段のヘアケアを見直して、自分で髪質改善に挑戦してみましょう。
NG行動をチェック!髪が痛む原因

髪質改善をする前に、まずは髪にダメージを与えるNG行動をチェックしましょう。
- タオルで濡れた髪をゴシゴシ拭く・ゴシゴシ洗う
- 髪質に合わないシャンプーを使っている
- 髪を濡れたまま放置したり、自然乾燥したりする
- ヘアアイロン・ドライヤーは同じ箇所を何度も当てている
- 紫外線対策をせず、日差しに当たることが多い
そもそもつるつる・うるうるの髪質になるには、キューティクル*が重要。
*外部の刺激から毛髪を守る役割。髪にツヤを与えている。
ただキューティクルは摩擦や熱に弱く、ダメージを受けると剥がれる性質があります。
剥がれたところから髪の水分や栄養分が流れ出て、ツヤやまとまりが失われてしまうんですね。
たとえば、髪が濡れている時はダメージを受けやすくなっている状態。
タオルドライやシャンプーでゴシゴシと髪を扱うと、摩擦でキューティクルを剥がしかねません。
他にもドライヤーや紫外線で熱を与えたり、高級アルコール系など洗浄力の強いシャンプーで刺激を与えるのも、ダメージ毛の原因になります。
髪を傷めている行動をしていないか見直すのも、髪質改善を成功させるコツですよ。
(関連:自分の髪質に合うシャンプーとは?シャンプーの洗浄成分をチェック!)
ホームケア方法を見直す!髪質改善のポイント3つ
セルフでの髪質改善は、毎日使うシャンプーやドライヤーの使い方を見直すのが基本!
逆に言えば、正しい方法を続けるだけでホームケアでも理想の髪質へ近づけます。
ヘアケアのポイントを抑えて、さっそく今日から試してみてください。
- 刺激の少ないシャンプーで正しく髪を洗う
- 髪質や悩みに合う洗い流さないトリートメントをつける
- 濡れ髪はできるだけ早く、ドライヤーでしっかり乾かす
①髪質やダメージの状態にあったシャンプーを使う
まずは、洗浄力のやさしいシャンプーに切り替えるのが髪質改善の第一歩。
髪のダメージケアには、アミノ酸系・ベタイン系がおすすめです。
アミノ酸系 | ベタイン系 | |
特徴 | 髪の健康を守る | ダメージを修復 |
おすすめの人 | パサつき・枝毛が気になる カラー・パーマのモチを良くしたい | 乾燥で髪が広がる 熱・紫外線ダメージを受けている |
表示 | ココイル~ ライロイル~ | ~ベタイン |
アミノ酸系は、パサつき・枝毛などのダメージが気になる方にピッタリ。
皮脂バランスをコントロールし、髪の土台である頭皮環境を整えてくれます。
頭皮への刺激が少ない上、カラー後の髪のケアもしてくれます。
ベタイン系のシャンプーは、特に髪が乾燥して広がりやすい方向け。
髪をしっとりまとめて潤いを補給してくれます。
アイロンや紫外線でダメージを受けた髪におすすめです。
中には双方の良いところを掛け合わせた「アミノ酸×ベタイン系シャンプー」もあります。
パッケージや成分表示でチェックしてくださいね。
【高級アルコール系は乾燥しやすい】
先述のとおり、「高級アルコール系」と分類されるものは洗浄力が高い分髪や頭皮が乾燥しやすいのがネック。
「硫酸」とつく成分が入っているものは、毎日使うのに向いていません。
- ラウレス硫酸Na
- ラウリル硫酸Na…など
汗をよくかいた日や、落ちにくい整髪料をつけた日に使用するなど、使い分けするといいでしょう。
正しい髪の洗い方でダメージ軽減
ツヤとまとまりを引き出すには、髪の洗い方も重要です。
【髪の潤いツヤを守る洗い方】
- ブラッシング
- お湯で予洗い(38℃前後・2~5分)
- シャンプーを泡だて、頭皮を揉むように優しく洗う(1~2分)
- しっかりシャンプーを洗い流す(1~3分)
→シャンプーの倍かけて流すのが理想 - 毛先〜中間にコンディショナーをつけて揉み込む
→トリートメントの場合は5分置く - コンディショナーを洗い流す(1~3分)
髪の毛を洗う際は、入浴前に軽くブラッシングするのがポイント。
髪についたホコリや汚れが浮いて、落ちやすくなります。
さらに髪の絡まりを解くことで、シャンプー中の摩擦が軽減しますよ。
またシャンプー前に予洗いすることで、頭の7〜8割の汚れが落ちると言われているほど。
髪だけでなく頭皮まで濡らすようにしましょう。
シャンプーは手に取ったら、軽く泡立ててから頭皮にのせていきます。
指の頭でマッサージするように優しく洗ってくださいね。
頭皮を中心に、髪は残った泡で軽く洗う程度で汚れは落ちますよ。
コンディショナーやトリートメントは根元を避けて、毛先中心によく馴染ませましょう。
手グシでとくようにつけていくとムラになりにくいです。
最後にぬるつきがなくなるまで洗い流せば完了。
ゴシゴシこすらず、ある程度シャワーの水流に任せるように流すといいですよ。
②アウトバストリートメントで髪を保護
入浴後に洗い流さないトリートメントを使うのも、髪質改善に欠かせません。
トリートメントは、髪の状態に応じた成分を使うのがポイントです。
- 髪が細くて絡まりやすい
⇒ケラチン - 太くてゴワつく
⇒コラーゲン - チリつき・枝毛など毛先のメージが目立つ
⇒加水分解〇〇
(加水分解コラーゲン、加水分解ケラチンなど)
髪の絡まりで傷んでいる方は、髪の主成分であるケラチンを補うのがベター。
クセやうねりを改善して、太くコシのある髪の毛に導きます。
乾燥ダメージでごわつく髪には、潤い成分であるコラーゲンで保湿してあげてください。
潤いを与えることで、太くてゴワついた髪を柔らかくしますよ。
毛先がチリチリになっている方や枝毛が多い方は、「加水分解〇〇」の表記をチェック。
比較的髪に馴染みやすく保湿性が高い成分で、ハイダメージ毛のケアに最適です。
髪の状態をしっかり観察して、髪にあったトリートメントを使ってくださいね。
トリートメントを選ぶなら、オイルタイプ(ヘアオイル)がおすすめ。
ドライヤーの熱や外部刺激による摩擦から髪を守る効果が期待できます。
③お風呂上りはドライヤーですぐ乾かす

髪質改善には、濡れ髪をドライヤーですぐに乾かすのも重要。
ただし摩擦や熱ダメージを防ぐためにも、下記の手順で正しく髪を乾かしていきましょう。
- 水滴が落ちない程度までタオルドライ
- 手ぐしで絡まりを軽くとく
- 洗い流さないトリートメントをつける
- 髪を持ち上げて根元から毛先にかけて乾かす
ドライヤーは、手ぐしでジグザグに髪を動かしながら温風をあてていきましょう。
ガシガシすると摩擦ダメージが加わるので、優しく手を動かしてくださいね。
ドライヤーは20cm以上離して、ドライヤーを振りながら風をあてるのがポイントです。
熱を分散させることで熱ダメージを軽減できます。
8割ほど乾いたら、冷風に切り替えて乾かしましょう。
冷風をあてることで、髪のキューティクルが閉じてツヤが出やすくなります。
正しくドライヤーを使えば、シャンプーやトリートメントで補った栄養がギュッと閉じ込められて手触りも改善に繋がりますよ。
熱ダメージを抑えたドライヤーで髪質改善!
▶髪がサラ艶になるドライヤーの選び方を詳しくチェックする!
ヘアアイロン・コテを使う時の注意点
ヘアアイロンやコテを使う際は、同じ箇所を繰り返し熱しないよう注意してください。
ダメージ軽減を考えると、アイロンの温度は140度程度が使うべきです。
ただ温度が低いとスタイリングしにくく、何度も熱することになりかねません。
ヘアアイロンを使うときは、180度程度で一箇所2秒ほどで済ませるのがベストです。
やや高温に設定してサッと済ませることで、熱ダメージを最小限に抑えられますよ。
生活習慣を見直して髪質を改善するポイント
ヘアケアだけでなく生活習慣の改善も、自宅で髪質改善するためのカギ。
規則正しい生活で頭皮環境を整えることで、髪のダメージ修復をサポートする効果が期待できます。
食事や睡眠をはじめとする3つの習慣を見直してみましょう。
自宅での髪質改善に関するQ&A
Q1.メンズも髪質改善は必要?
A.はい。髪が扱いにくい、と感じているなら感じているなら髪質改善が必要です。
Q2.自宅での髪質改善はくせ毛にも効果はある?ストレートになる?
A.先天的な強いくせ毛は縮毛矯正などでないと、ストレートになりにくいです。ただセルフケアでも、くせ毛を抑えることはできます。
髪質改善はサロンだけでなく自宅でも取り組めます。
髪の成長をサポートする生活習慣に変えていくことが大事です。
【ホームケアのポイント】
- シャンプーの種類や洗い方を見直す
→アミノ酸・ベタイン系シャンプー - 洗い流さないトリートメントをつける
→髪が細くて絡まりやすい:ケラチン
→太くてゴワつく:コラーゲン
→毛先のメージが目立つ:加水分解〇〇 - ドライヤーでできるだけすぐに乾かす
【生活習慣の見直し】
- 髪の成長を助ける食品を摂る
→タンパク質・ビタミンB群・亜鉛を積極的に取る
(肉、魚、卵、緑黄色野菜など) - 夜間にしっかりと睡眠を取る
- ウォーキング・ストレッチなど軽い運動を習慣づける
ホームケアや生活習慣を見直して、ツヤ髪にアプローチしていきましょう。
参考献文
村越紀之,
『蛍光で見る毛髪の構造とダメージ』,
化技誌代49巻,第2号,p87~94,2015
リーブ21,
『Vol.23いまさら聞けない。髪の毛の主成分ケラチンって何?』
e-doctor,
『睡眠の『Golden Time』を検証する』
VINA SHOP,
『成長ホルモンがカギ「睡眠美容」のススメ』
NIKKEI STYLE,
『ホルモンと睡眠 美肌ゴールデンタイムは存在する?』,
日経ナショナル ジオグラフィック社,2018.4.24
