頭皮トラブルは乾燥やすすぎ残し、間違った洗髪方法によるものがほとんど。
- パーマやカラーリングを繰り返している
- よく紫外線を浴びている
- 1日2回以上のシャンプーが欠かせない
上記に当てはまる方は、頭皮の乾燥に要注意です。
正しい頭皮ケア方法や最適なシャンプーの選び方を身に着けて、頭皮を守り美しい髪をキープしましょう。
【この記事の監修者】

毛髪診断士 / メノポーズ(更年期)カウンセラー
元井里奈 さん
2児を育てながら働く、ワーママ毛髪診断士・美髪研究家。
毛髪・栄養学・女性ホルモンに関する幅広い専門知識をもとに、抜け毛や薄毛に悩む女性1,000人以上のカウンセリング実績あり。
専門家として、多数のメディア掲載実績もお持ちです。
他にもサプリメントアドバイザー、メノポーズ(更年期)カウンセラーとしてもご活躍されています。
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頭皮トラブルの原因の1つは乾燥!乾燥を見分けるポイント
頭皮の調子が悪い人は乾燥が原因であることがほとんどです。
下記に当てはまる人は、頭皮が乾燥している可能性があります。
- 頭皮にツッパリ感がある
- ピリピリしたかゆみ
- 粉のようなフケ
頭皮の乾燥はつい見逃してしまいがちですが、対策次第で防ぐことができます。
まずは自分の頭皮の状態を把握して、どこに原因があるのかを突き止めるのかが大切です。
頭皮が乾燥しやすい人の特徴
頭皮トラブルに困っている方は、下記に当てはまっていないかチェックしてみてください。
- 乾燥肌の人
- 洗浄力の強いシャンプーを使っている
- 高頻度でパーマ・ヘアカラーをしている
- アウトドアが好き・紫外線を浴びる機会が多い
もともと乾燥肌の方は頭皮も乾燥しやすい傾向があります。
逆に脂性肌だから…という理由で、体質に合わない強すぎる洗浄力のシャンプーを使っている方も、頭皮環境を悪化させて乾燥している可能性が高いです。
さらに紫外線やパーマ・ヘアカラーなど、地肌に直接強い刺激を与える機会の多い方も、ダメージが乾燥を促進させるのでしっかりケアしましょう。
頭皮が乾燥してしまうNG行動2つ
上述した特徴に当てはまらないのに、なぜか頭皮トラブルが起きる…という方もいるはず。
「頭皮を乾燥させるNG行動を取っていないか」もチェックしておきましょう。
- 紫外線を直接浴びたり、空調の効いた部屋に長時間いたりする
- 入浴で必要な皮脂を落としすぎている
①頭皮が乾燥しやすい環境にいる
季節問わず、紫外線や空調によって”頭皮が乾燥しやすい環境”に長時間いる方は、頭皮が乾燥しやすくなります。
【頭皮が乾燥しやすい環境】
- 強い紫外線に直接あたる(登山やキャンプ、サーフィンなど)
- 暖房/冷房の効いた部屋(デスクワークなど)
特に注意してほしいのが、紫外線です。
頭皮は体のパーツの中でも太陽に近い部分なので、一番紫外線が当たる場所。
日焼けをすると肌がダメージを受けて乾燥するように、頭皮にも同じことが起こります。
「帽子を被らずレジャーに出かける」など、長時間頭皮を紫外線にさらしている方は特に注意してください。
また、空調が効いている空間に長時間いる方も要注意。
自宅、オフィスなど場所に関わらず、空気の乾燥していると頭皮も乾燥します。
特に同じ姿勢で作業するデスクワークの方は血行不良になりやすく、乾燥しやすい体質になりかねません。
②必要以上に皮脂を落としすぎている
毎日の入浴で必要以上に皮脂を落としすぎていると、頭皮の乾燥につながります。
- 1日に2回以上、シャンプーしている
- 40度以上のシャワーで洗い流している
上記に当てはまる方は要注意です。
特にフケやかゆみが気になると、ついやりがちなのが1日に2度の洗髪。
頭皮の保湿に必要な皮脂まで奪われて乾燥し、余計にフケ・かゆみが悪化しやすくなります。
乾性ふけ(カサカサタイプ)
過度な洗髪や洗浄力の強いシャンプー剤によって皮脂が必要以上に落とされることが原因です。
(引用元:第一三共ヘルスケア「ふけ・頭のかゆみと原因」)
また40度以上の熱いお湯で洗髪している方も要注意。
高温のシャワーは汚れを落としやすい反面、必要な皮脂まで洗い流して乾燥を促してしまいます。
頭皮の乾燥予防には「シャンプーの選び方」が重要
頭皮の乾燥を改善するには、まず使っているシャンプーを見直すのが大前提。
- 洗浄成分
- うるおい成分
の2つに注目して、毎日使っても刺激にならない、頭皮にやさしい配合成分を選ぶのがベストです。
どのような成分を選べばいいのか、以下で詳しく説明していきます。
おすすめの洗浄成分は「アミノ酸系」「ベタイン系」
頭皮の乾燥を予防するなら、洗浄成分は髪や頭皮を守りながら洗えるアミノ酸・ベタイン系がおすすめ。
そもそもシャンプーの洗浄成分は、大きく分けて4つに分かれます。
洗浄力・刺激 | 表記名 | |
---|---|---|
高級アルコール系 | 強い 刺激も強い | ・ラウリル硫酸NA ・ラウレス硫酸NA |
石けん系 | 強い 刺激も強い | ・脂肪酸ナトリウム |
★おすすめ★ アミノ酸系 | 弱い 低刺激 | ・ココイル~ ・ラウロイル~ |
★おすすめ★ ベタイン系 | 弱い 低刺激 | ・~ベタイン |
洗浄力の強い高級アルコール系は泡立ちがよく、比較的安価。
市販で売られているほとんどのシャンプーがこのタイプに分類されます。
ただ皮脂や汚れをしっかり落としてしまうので、整髪料をたくさんつける人向けになっています。
洗浄作用の強い界面活性剤ほど皮膚刺激性が強く, 皮膚に障害を与え, 慢性刺激性接触皮膚炎を生じやすい。
(引用元:J-STAGE「香粧品洗浄剤と皮膚生理」)
一方、アミノ酸・ベタイン系は、洗浄力がマイルドで頭皮への刺激が弱め。
カラーやパーマを繰り返してダメージを受けた頭皮や敏感肌でも使えます。
高級アルコール系シャンプーと比較してやや価格が高いものの、すでにダメージがある方や頭皮への負担を軽減したいならアミノ酸・ベタイン系のシャンプーを選ぶべきでしょう。
トラブルがでている時は「薬用」を選ぶのがベター
- きついにおい
- 我慢できないかゆみ
- 目立つフケ
- 頭皮湿疹
など、トラブルがでている時は「薬用」と表記されているシャンプーを選ぶのがベター。
フケや炎症・不快な臭いを抑えるなら、頭皮湿疹に有効な成分「グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)」が配合されたシャンプーをおすすめします。
ふけ・頭のかゆみを抑えるには、まずはシャンプー剤の見直しから始めましょう。
原因菌の過剰な増殖と炎症を抑える・
・グリチルリチン酸ジカリウム
グリチルリチン酸ジカリウムには抗炎症作用があり、頭皮の雑菌繁殖を防ぎ、清潔な状態を保つのに役立ちます。
頭皮トラブルには頭皮ケアに特化した「スカルプシャンプー」も有効!
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うるおい成分は「セラミド」
乾燥を防ぐうるおい成分を選ぶなら、セラミドがおすすめ。
乾燥をはじめとする外部の刺激や、紫外線から頭皮を守るバリア機能を発揮してくれます。
セラミドがバリア機能を維持する上で重要であることが報告されている。
特に下記の成分は、セラミドの中でも注目してほしい成分です。
- セラミド2(セラミド+数字)
- セラミドNP(セラミド+アルファベット)
さらにセラミドは、髪の毛のキューティクルを補強したり、髪の水分を保持する作用も期待できます。
▼シャンプーは【継続して買えるコストか】も重要
シャンプーは毎日使うものなので、続けて買える値段かどうかも重要です。
高ければその分いい成分入っているということも期待できますが、一時的にしか使用できないのではあまり意味がありません。
無理なく続けられる値段のものを購入するようにしましょう。
頭皮の乾燥トラブルを予防する+αのケア3つ
シャンプーを見直したあとは、下記のような”+αのケア”をするのも効果的です。
- 頭皮を保湿ケアする
- シャワーの温度は38度を目安にぬるめにする
- 食生活・生活習慣を見直してターンオーバーを整える
①頭皮を保湿ケアする
シャンプーの見直しに加えて、頭皮の保湿ケアをプラスしてみましょう。
頭皮に潤いを与えることで、かさつきやかゆみ、フケを軽減させてくれます。
頭皮の保湿ケアには、ローションやヘアトニックがおすすめ。
頭皮にまんべんなく行きわたるよう、マッサージするように軽く揉みこんであげてくださいね。
(参考:頭皮マッサージの効果とは?抜け毛予防や顔のたるみに効くマッサージ方法を紹介)
また乾燥している室内では、加湿器の使用も効果的。
オフィスの場合は持ち運びできるミニ加湿器が便利ですよ。
ドライヤーの使い方も要注意!
早く乾かしたいからといって、ドライヤーを頭皮に近づけすぎるのもNGです。
正しい乾かし方で、頭皮の乾燥を防ぐようにしましょう。
【ドライヤーを使うときのポイント】
- 送風口と髪との距離を10~20㎝ほど離す
- 同じ部分ばかり温風を当てない
→常に手を動かす
(首筋→後頭部→左右の髪→前髪)
→根本からドライヤーをあてる
→全体的に乾いてきたら冷風に切り替える
また、ドライヤー前にはタオルドライで水気をしっかり吸い取るのがベター。
ドライヤーをあてる時間を短縮でき、ダメージの軽減になりますよ。
②シャワーは「温度38度・強すぎない水圧」で使う
頭皮の乾燥を悪化させないために、シャワーの温度や水圧も工夫しましょう。
頭皮を乾燥させないシャワーの温度は、36~38度が目安。
40度前後に設定されていることが多いですが、頭皮にとって熱すぎるのでぬるめを心がけてみてください。
また水圧も強すぎないように調整しましょう。
壁にしぶきがたくさん飛んでいるようであれば、勢いが強いので弱めてください。
頭皮の乾燥を防ぐ【髪の正しい洗い方】もチェック!
頭皮の乾燥は、正しくシャンプーすれば軽減できます。
- 髪を濡らす前にブラッシングする
- 36~38度前後のお湯でしっかりすすぐ
- 手の平でシャンプーを泡立てる
- 指の腹でマッサージするように洗う
(爪を立ててゴシゴシ洗いは頭皮を傷つける) - すすぎ残しのないようにしっかり流す
ホコリや汚れが落ちやすくなるので、シャンプー前にブラッシングするのをおすすめします。
また洗う時はつい髪の毛を洗いがちですが、頭皮を洗うのがコツ。
ただし爪を立ててしまうと傷ついて乾燥してしまうので、指の腹でやさしく洗うようにしましょう。
③食生活・生活習慣を見直してターンオーバーを整える
食生活や生活習慣の見直しで、体の内側から頭皮の環境を整えるのも重要です。
ポイントになるのが、ターンオーバー(※)のサイクルを整えること。
(※)肌の新陳代謝のこと。約4~8週間かけて古い皮膚細胞を垢や角質として剥がし、新しい細胞と入れ替えるといわれています。
トラブルを起こしている皮膚を新しくすることで、きれいな頭皮状態へ戻せます。
3つの生活習慣を見直して、根本から頭皮の乾燥を改善していきましょう。
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 良質な睡眠をとる
- しっかり紫外線対策する
①栄養バランスの良い食事を心がける
ターンオーバーのサイクルを正しくするには、栄養バランスの良い食事を心がけるのが重要です。
当然ながら食生活が乱れると、ターンオーバーサイクルも崩れてしまいます。
特に下記の栄養は肌代謝を促し、頭皮にも良い食品です。
足りないと思う食品があれば、積極的に摂るようにしてみてください。
栄養素 | 働き | 食品 |
---|---|---|
たんぱく質 | 筋肉や内臓、髪、爪などを構成する成分 | 肉類 魚介類 卵類 大豆製品 乳製品 |
ビタミンB1 | 糖質をエネルギーに変える | 豚ひれ 枝豆 かつお まぐろ(赤身) 絹ごし豆腐 |
ビタミンB2 | 皮膚や粘膜の健康維持 | レバー ウナギ 卵 乳製品 納豆 アーモンド |
ビタミンB6 | 髪の毛や皮膚を健康にし、成長を促す | 牛レバー さんま バナナ さつまいも 赤パプリカ |
亜鉛 (必須ミネラル) | 皮膚や粘膜の健康維持を助け、たんぱく質の代謝に関与する | 牡蠣 煮干し 牛肉 豚レバー |
ただし亜鉛は摂取すぎると、貧血や免疫力の低下を引き起こす可能性があります。
サプリなどを併用するときは、用法・容量を守ってくださいね。
②良質な睡眠をとる
睡眠の質をあげることも、頭皮の環境を整えるために必要不可欠。
しっかり睡眠をとることで、ホルモンが身体を修復し、トラブルを改善してくれます。
- 成長ホルモン
→細胞の修復や新陳代謝の促進 - メラトニン
→体温を下げ、睡眠を促す
これらのホルモンを活性化させることで、ターンオーバーの正常化が期待できます。
毎日一定の時間帯に眠るようにし、体内リズム(サーカディアンリズム)を整えることで、眠りの質が高まります。
すると、成長ホルモンの分泌がよくなり、結果として健康な頭皮の維持や髪の成長にもつながると考えられています。
睡眠の質をあげるには、身体をお休みモードに上手く切り替える”寝る前の習慣”が大切。
とはいえ、ライフスタイルによっては全部こなすのは難しいですよね。
毎日シャワーだけで済ませているなら浴槽に入る回数を増やす、寝る前はスマホをできるだけ見ないようにするなど、できることからはじめてみてください。
③紫外線対策をする
頭皮の乾燥を改善するには、紫外線対策をしっかりするのも重要。
紫外線は1年中ふりそそいでいるので、以下のような対策がおすすめです。
- 髪の分け目を変える
- 外出時は帽子を被る
- 紫外線が強い時期はUVスプレー
※頭皮に直接かける場合は頭皮用の製品を使い、洗うときはしっかり落とす。
帽子を被って頭全体を守るのが理想的。
難しいときはUVスプレーをかけておくなど、状況によって使い分けてみてください。
またずっと同じ分け目でいるとその部分だけダメージを受けやすくなるので、時々変えるのも効果的ですよ。
頭皮につっぱり感やかゆみ、フケがある場合は、頭皮の乾燥が原因かもしれません。
乾燥肌やパーマ・ヘアカラーだけでなく、紫外線の浴びすぎや皮脂の落としすぎなど生活習慣が頭皮の乾燥を招く原因になることも…。
すでに頭皮トラブルがある方は、保湿やターンオーバーに注目して体の内外からケアを心がけましょう。
また頭皮の乾燥を予防するには、「シャンプーの洗浄成分・うるおい成分」も重要。
下記の成分が配合されたものを選んで、頭皮への刺激を最小限に抑えましょう。
- 洗浄成分は「アミノ酸系・ベタイン系」を選ぶ
→洗浄力がマイルドで頭皮に低刺激なので、乾燥を防げる - うるおい成分は「セラミド」を選ぶ
頭皮の乾燥は様々なトラブルの原因になるからこそ、正しい知識・ケア方法を身に着けておいて損はありませんよ。
■参考文献
須貝 哲郎,
『香粧品洗浄剤と皮膚生理』,
日本化粧品技術者会誌/27 巻 (1993-1994) 4 号 p. 535-545
徳留 嘉寛,
『各種生理活性物質をもちいた皮膚バリア機能改善』,
YAKUGAKU ZASSHI/139 巻 (2019) 12 号/p. 1549-1551
