スカルプシャンプーは、その名の通り「頭皮ケアができるシャンプー」のこと。
「スカルプシャンプーって、普通のシャンプーとどう違うの?」
「スカルプシャンプーを使えば髪が生えてくる?」
「どれが自分に合うスカルプシャンプーがわからない…」
など、意外にスカルプシャンプーについて知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで数ある市販品の中から、効果のあるスカルプシャンプーを選ぶコツを紹介していきます。
【この記事で分かること】
- スカルプシャンプーは、髪が伸びる?の真相
- 男性用と女性用の違いと選び方
- 市販で購入する際に注目するべき成分
- スカルプシャンプーの効果を高める方法
スカルプシャンプーとは、「頭皮ケアするシャンプー」
先述のとおり、スカルプシャンプーは頭皮ケアに特化したシャンプーです。
本来、シャンプーの役割は”髪・頭皮を洗うこと”。
スカルプシャンプーは洗浄だけでなく、頭皮の健康状態を整える効果を持っているのが特徴です。
頭皮を健やかに保つには、適度な皮脂が残っていることが必要不可欠。
皮脂は紫外線や乾燥から頭皮を守り、髪を生やす周期を正常に保ってくれます。
逆に皮脂量のバランスが悪いと、かゆみやフケ、抜け毛といった頭皮トラブルの原因になりかねません。
スカルプシャンプーは頭皮の皮脂量を整えて、頭皮トラブルや将来生えてくる髪の毛を守る効果があるんですね。
ただし、「スカルプシャンプーを使うと増毛できる」というのはよくある誤解。
スカルプシャンプー自体には、”髪を増やす”成分は入っていません。
あくまでも、髪の生えてくる土台を整えてくれるだけです。
とはいえ、頭皮が健康になると抜け毛が減って、新しく生える髪が太くなるのは事実。
「スカルプシャンプーを使うと増毛したように見える」のは、頭皮や髪に栄養が行き渡るからなんですね。
薄毛対策で男性が使うイメージが強いですが、キレイな髪をキープするためには女性にも欠かせませんよ。
スカルプシャンプーの効果
スカルプシャンプーを使用すると、下記のような効果を期待できます。
- 頭皮の肌荒れを改善する
- フケ、かゆみを防ぐ
- 抜け毛を予防する
- 嫌なニオイを解消する
- コシのあるきれいな髪を育てる
スカルプシャンプーは肌荒れや抜け毛など、頭皮・髪にトラブルを解消・予防したい方に向いています。
洗浄力がやさしく、低刺激で使えるので、敏感肌の方にもオススメです。
また頭皮トラブルだけでなく、コシや艶がない…とお悩みの方がヘアケアに使うのもアリ◎
頭皮タイプや悩みに合わせてスカルプシャンプーを選ぶことが、悩み解消のカギですよ。
男性用(メンズ)・女性用(レディース)の違いはある?選び方をチェック!

スカルプシャンプーは男性用と女性用で、洗浄力・保湿力が異なります。
頭皮の皮脂量が違いがあるため、男性用・女性用と分けて販売されることが多いんですね。
- 男性用スカルプシャンプー=洗浄力に特化している
→女性より頭皮の皮脂量が過剰分泌されやすい - 女性用スカルプシャンプー=保湿力に特化している
→男性より頭皮の皮脂量が少なく、乾燥しやすい
実際に、男性は女性の約3倍もの皮脂が分泌されています。
頭皮環境を整えるには、余分な皮脂を取り除ける洗浄力が必要です。
逆にいえば女性は頭皮が乾燥しやすいので、洗浄力よりも保湿力に注目するべきです。
頭皮は顔の約2倍の皮脂腺があるといわれ、Tゾーン以上にベタつきやすいのが特徴。
ベタつきや匂い、といった男性の肌・頭皮の悩みは、女性の約3倍多く皮脂分泌していることが関係しています。
(出典:株式会社女性モード社『サロンワーク発想だから分かる!基本の毛髪化学』)
とはいえ皮脂量は個人差が大きいので、必ずしも男女別に使い分ける必要はありません。
例えば「乾燥肌の男性が、保湿に特化した女性用を使う」のも全然アリですよ。
むしろ脂性肌(オイリー肌)用・乾燥肌用と、肌質で選ぶのがベター。
パッケージを確認して、洗浄成分・保湿成分をチェックしておきましょう。
普通肌の方は、好みの洗い上がり(サッパリか/しっとりか)で選んでもOKです。
効果の実感力を重視するなら「薬用(医薬部薬品)シャンプー」を選ぶ
スカルプシャンプーの効能を重視するなら、薬用シャンプーを選んでみてください。
『薬用』と表示できるのは、厚生労働省の認可を得られた商品だけ。
頭皮トラブルに対して効果が認められる「有効成分」が含まれるシャンプーを、薬用シャンプーと呼んでいます。
「化粧品(※)」と「薬用化粧品」の大きな違いは「有効成分」が配合されているか、いないかということです。
(出典:日本化粧品化学連合会JCiA『化粧品と薬用化粧品』)
(※)ここでの化粧品は医薬品・薬用(医薬部外品)以外のシャンプーのこと。
- フケ・かゆみ・赤みを改善・予防したい
- 髪のベタつきが気になる…
- 頭皮の嫌なニオイをどうにかしたい
といった、頭皮トラブルにお悩みの方にオススメ。
通常のシャンプーよりも症状の改善を期待できますよ。
『薬用』の表記がパッケージにあるか確認してみてくださいね。
フケが気になる方はコチラをチェック!
≫フケの原因は乾燥と皮脂過多の2パターン!タイプ別に治す方法を徹底解説◎
【肌質別】スカルプシャンプーのおすすめ成分
先述のとおり、スカルプシャンプーを選ぶなら肌質によって選ぶのがベスト。
ここからは肌質別に、悩みにアプローチするおすすめの有効成分を解説していきます。
肌質 ※タップで詳細に移動 | 悩み | おすすめ成分 |
脂性肌 | ベタつく | グリチルリチン酸ジカリウム ピロクトンオラミン |
乾燥肌 | 乾燥 ツッパリ感 | 植物オイル セラミド |
混合肌 | 部分的に ベタつきと乾燥 | 海藻・植物エキス ヒアルロン酸 |
《脂性肌》は皮脂の分泌を抑える成分
皮脂の量が多い脂性肌は、過剰分泌される皮脂を抑える成分がおすすめ。
成分 | 作用 |
グリチルリチン酸ジカリウム | 皮脂の過剰分泌による アレルギーの炎症を鎮める |
ピロクトオラミン | 皮脂の分泌を抑えて 匂いの元(菌)を殺菌する |
グリチルリチン酸ジカリウムは炎症を沈める作用があるので、かゆみが出ているときに選んでください。
ピクトオラミンは匂いが気になるときに有効です。
皮脂が多すぎると頭皮に菌が増殖し、かゆみやフケといったトラブルにつながりかねません。
また髪がベタついて見た目の印象が悪くなるため、早めの改善がベターです。
乾燥肌なのに頭皮だけ脂っぽい…という方は、インナードライを疑うべきでしょう。
実は頭皮が乾燥していると、正常なバランスに戻そうと皮脂が過剰分泌されることがあります。
「空調の聞いた室内に1日いる」など乾燥しやすい環境にいるなら、まずは保湿を優先してください。
(関連:髪が油っぽいときの応急処置と改善方法!シャンプーしてるのにベタつく原因とは?)
《乾燥肌》は高保湿の成分
乾燥肌の方は、高保湿の成分を選びましょう。
成分 | 作用 |
植物オイル・~油 | 乾燥を防ぐ(保湿) 頭皮環境を整える |
セラミド | 保湿 |
中でも植物オイルは、配合されている天然のオイル成分に注目。
頭皮の健康にとって必要なビタミンA、C、Eが含まれています。
- アルガンオイル
- ひまわりオイル(油)
- ヤシ油
- マンゴー・バオバブの種子油
- ツバキ油
- ホホバオイル
例えばアルガンオイルは必須脂肪酸やビタミンEが含まれ、高い保湿効果を期待できます。
特に必須脂肪酸が欠乏すると乾燥を引き起こすので、積極的に補うといいでしょう。
ちなみに数種類の植物オイルがブレンドされている商品を選べば、複数の効果が得られますよ。
また頭皮のツッパリ感を感じる方には、セラミドがおすすめ。
セラミドはすすぎ洗いしても頭皮・髪に残りやすい性質があり、しっとりとした保湿力をかじられますよ。
頭皮乾燥によるトラブルの予防対策!
≫フケやかゆみ…頭皮の乾燥が原因かも!頭皮トラブルを引き起こすNG行動と予防・対策をチェック
《混合肌》はさっぱり保湿できる成分
混合肌は、さっぱりと保湿できるものがおすすめです。
成分 | 作用 |
海藻・植物由来エキス | 保湿 |
ヒアルロン酸 | 保湿 |
混合肌は、部分的に乾燥とオイリーが入り混じるケアが難しいタイプ。
乾燥しすぎてしまう部分は、皮脂が過剰分泌しています。
そこで海藻エキスを取り入れて、まずは乾燥状態を改善しましょう。
海藻エキスのミネラルは、皮膚の代謝を高め血流がアップ。
頭皮に十分な栄養が行き渡り乾燥の改善に繋がります。
逆に乾燥している部分には、植物エキスで皮脂の取りすぎを防ぎましょう
- 褐藻エキス
- カミツレ花エキス
- アロエエキス
- アンズ種子エキス
洗浄成分の刺激を穏やかにする作用があり、頭皮の潤いを取り戻すのに効果大です。
さらに保湿力に優れたヒアルロン酸をプラスすれば、しっかり保湿できますよ。
1グラムのヒアルロン酸は、約6リットルの水を保持することができる。
ちなみに、植物エキス・ヒアルロン酸は比較的洗い流しやすい成分。
頭皮につけたときに乾燥部分にしっかり作用しますが、オイリー部分に残ってベタベタすることはありませんよ。
スカルプシャンプーの効果を高める方法
せっかく頭皮ケアができるスカルプシャンプーを使うのなら、ポイントを押さえて効果を最大限生かしましょう。
どれも簡単にできるのでチェックしてみてください。
- 指の腹でやさしく、頭皮をしっかり洗う
- ローション・オイルで保湿力を補う
- パドルブラシで血流を促進させる
髪ではなく頭皮を洗う
シャンプー剤を手に広げ、頭皮を洗うようにしましょう。
先述のとおり、スカルプシャンプーは頭皮の環境を整えるのに特化したアイテム。
髪を洗うより、頭皮をしっかり洗うのを意識するのが効果を上げるコツです。
指の第一関節(指の腹)をしっかりつけて爪を立てないように洗います。
頭皮が濡れていると傷つきやすいので注意してくださいね。
中でも、生え際・耳後ろは忘れやすいので意識してシャンプーしてみてください。
ローション・オイルで潤す
洗髪後は、ローションやオイルでケアするのも効果アップに効果的。
シャンプー後の頭皮は何もつけないと乾燥します。
洗顔に顔に化粧水をつないと乾燥するのと同じです。
頭皮の悩みがあるならシャンプー同様、悩みに合わせた有効成分を選ぶとより効果的です。
「フケ・かゆみ」などパッケージに記載があるので、チェックしてみてください。
特に抜け毛やハリコシが気になるなら、最近注目が集まっている「幹細胞(※)」がおすすめです。
※幹細胞…頭皮に与える作用は新生毛を育成し、新生毛を包んでいる壁を強化するため抜け毛を予防。それとともに毛が作られる部分を膨らませて毛を太くし、髪にハリを与える。
幹細胞のすごい点は、ただ頭皮に栄養を与えるだけではなく、毛母細胞を活性化し、新生毛を育成し、抜けずらい環境にするとともに、さらに直接毛球にアプローチする働き。幹細胞の効果で毛球を膨らませ毛髪自体を太く、また新生毛を包んでいる毛包壁も強化します。
(出典:株式会社双葉社『美髪力』)
頭皮に栄養を与えるだけでなく、コシのある髪に導いてくれますよ。
入浴後の保湿ケアはマッサージが効果的
マッサージしながら保湿ケアをするとさらに効果的です。
ケア方法はたったの”2ステップ”だけでOK。
- 気になる部分を中心に頭皮全体に塗布
- 馴染ませるよう頭皮に揉みこむ
頭を乾かす前のウェットな状態でやってくださいね。
ローション・オイルをつけた後はマッサージでさらに効果を高める!
≫マッサージ方法はこちら。
パドルブラシで血流を促進させる
パドルブラシ(※)を使って血流をアップさせるのもおすすめ。
(※)ブラシ部分のサイズが大きく、根本に空気穴のあるヘアブラシのこと。
クッションブラシで代用してもOKです。
(参考:髪にいい人気ヘアブラシのおすすめの選び方!サラ艶になる使い方もを詳しく解説)
やり方はパドルブラシで頭頂部を優しくプッシュするだけ。
心地よいと感じるくらいの力でマッサージしてください。
指を使うよりも力が要らず、10秒ほどでできるのがうれしいポイント。
髪を乾かすときや、朝ヘアスタイルを整えるついでにケアできますよ。
ただし濡れた頭皮は傷つきやすいので、マッサージのし過ぎには気をつけましょう。
髪の土壌である頭皮の健康をケアできるスカルプシャンプー。
肌質に合わせた成分を選ぶのが、最大限に効果を引き出すコツです。
パッケージに書いてある〇〇の人向けという表記を参考にするのもいいでしょう。
「頭皮トラブルをケアしながら美髪ケアしたい」という方は、ぜひスカルプシャンプーを試してみてください。
参考献文
ルベル/タカラベルモント㈱,
『サロンワーク発想だから分かる!基本の毛髪化学』,
株式会社女性モード社,2014,1,24
村田奈緒子,中川千春,監修美香,
『美髪力』,
株式会社双葉社,2019,9,15
