「きちんと保湿しているハズなのに肌が乾燥する…」
乾燥が進むと肌のつっぱり・粉吹き・かゆみなど様々な辛い症状がでますよね。
加湿や水分摂取を心がけていても、どうしてもカサカサするという方も多いはず。
そこでこの記事では、肌が乾燥する仕組み・原因と対策を詳しく解説。
肌の症状に合わせた保湿剤の選び方も紹介しています。
肌の乾燥でお悩みの方は、一度スキンケア方法を見直していきましょう。
【この記事でわかること】
- 肌の乾燥はバリア機能の低下から引き起こされている!
- いくつ当てはまる?ドライスキンの原因となる生活習慣
- 乾燥肌対策のための保湿アイテムの選び方を症状別に紹介
- 入浴剤や栄養補給が大切◎乾燥肌を防ぐための行動例
肌が乾燥するのは水分不足だけではない
肌内部の水分と油分(皮脂)が不足して潤いがない状態になると、肌の乾燥が引き起こされます。
入浴後のツッパリ感やカサつきといった症状が出たら要注意。
乾燥しやすい部位としては、皮脂の分泌が少ないすね、膝、ひじ、足の裏、頬が代表的です。
この乾燥と深くかかわっているのが、肌の表面にある角質層。
角質層は水分を留めることで、乾燥から肌を守る”バリア機能”の役割をしています。
通常、バリア機能はターンオーバー*によって正常に保たれていますが、外部刺激を受けるとターンオーバーが滞りやすい状態に。
*肌の新陳代謝のこと。
その結果、角質層にの水分を保てなくなり、肌がカサついてしまうんですね。

「毎日保湿クリームを塗っても乾燥が改善しない…」という方は、そもそもバリア機能自体が弱っている状態。
改善するには、バリア機能を弱める原因を知って対策することが重要です。
【肌が乾燥する原因6つ】睡眠や食生活が大きく関係

先述の通り、乾燥を引き起こすバリア機能の低下は日常で受ける外部刺激が主な原因です。
- 紫外線ダメージ
⇒紫外線の対策不足 - 間違ったスキンケアや入浴
⇒洗顔時にこする
⇒洗浄力の強い洗顔料やクレンジングを毎日使う
⇒42度以上の熱いシャワー・入浴 - 不規則な生活
⇒偏った食事・睡眠不足・運動不足 - 加齢
⇒年齢による皮脂分泌や保湿成分の減少 - 冷暖房による空気の乾燥
⇒空気中の水分が吸収され肌のうるおいも奪われる
まず、日常で起こりがちなのが摩擦ダメージ。
洗顔時にゴシゴシ強くこすったり、スクラブ入り洗顔料を毎日使うといった、過剰なケアをしていると角質層が壊れてしまいます。
さらに、潤いをキープする皮脂不足もバリア機能を低下させる一因です。
加齢をはじめ、入浴時の高すぎる水温やリキッドタイプのクレンジング剤を使うなどをきっかけに、角質を守る皮脂が足りなくなって乾燥を引き起こします。
また、不規則な生活習慣によるターンオーバーの乱れも肌を乾燥させるNG行動。
特に肌の健康を保つビタミンB群や睡眠が不足すると、ターンオーバー周期が乱れてバリア機能の低下を招きます。
他にも紫外線や冷暖房のあたりすぎも、直接肌を乾燥させる要因になりかねません。
肌の乾燥はかゆみだけでなく、シワやシミといった肌トラブルにも繋がります。
保湿ケアはもちろん、生活習慣の見直しも美肌には欠かせませんよ。
【症状別】肌の乾燥を対策する保湿クリーム・オイルの選び方
乾燥肌のケアには、保湿クリームやオイルを使うのがおすすめ。
バリア機能が低下した肌をコーティングし、潤いを閉じ込めておくことができますよ。
ただし、むやみに保湿アイテムを使うのではなく、症状に合わせてケア成分を選ぶのが大切です。
自分の肌状態に合わせてケア成分をチェックしてみてください。
(※気になる症状をタップすると、詳細にスクロールします)
粉吹き・皮むけ:高保湿成分で角質が固くなる前に潤い補給
乾燥が進んでいる粉吹き・皮むけの状態は、高保湿成分でケアするのがベスト。
この状態の肌は、乾燥して表面(角質)がめくれ上がっています。
肌を守るために、通常より早く形成された、未熟で不安定な角質が表面にある状態です。
水分をしっかり蓄えることができず、乾燥を助長させる負のループに陥ってしまうんですね。

まずは高保湿の成分で、しっかりと潤いを与えて角質層をケアするのが大切です。
- セラミド:保水機能をサポートする
- コラーゲン:角質層のうるおいを保持する
- ヒアルロン酸:角質層のうるおいを保持する
- アミノ酸:角質層の水分量を増やす
- スクワラン:皮脂膜をつくって保水力を高める
特に改善に大事なのがセラミド成分。
保水機能を高めるだけでなく、乱れた角質層を安定させる役割もあります。
セラミドが未熟な細胞をつなぎとめて、フタをするイメージです。
バリア機能が高まり、粉吹きや皮むけといった乾燥トラブルの改善が期待できます。
コラーゲンやヒアルロン酸なども配合されていれば、保湿力はグッと高まりますよ。
また角質層が通常に戻るまでは、外部刺激を受けやすいのでヒリヒリ感がでる場合も…。
できるだけ低刺激設計のものを使用するのがベターですよ。
肌の乾燥で角質層が厚く固くなってしまうと、ニキビができやすくなります。
通常、古い角質はターンオーバーによってアカとして剥がれ落ちる仕組み。
しかしターンオーバーが滞って古い角質が溜まると、皮脂と一緒に毛穴に詰まります。
そのまま毛穴で菌が増殖し、ニキビが増えてしまうんですね。
ニキビトラブルを防ぐためにも、乾燥が気になったら早い段階から保湿ケアしましょう。
ツッパリ感がある:角質ケアできる成分で肌を柔らかくする
乾燥肌でつっぱり感やごわつきを感じるなら、角質ケアできる成分を使っていきましょう。
フェイスケアはもちろん、皮脂が少なく乾燥しやすいひじや膝の保湿にもおすすめです。
そもそも肌のつっぱり感やごわつきを感じるのは、角質が厚くなるのが主な原因。
まずは角質を柔らかくすることで、保湿アイテムの効果を引き出しやすくなります。
カサつき改善におすすめなのは、以下の成分。
- 尿素
- セラキュート
セラキュートは新開発された保湿成分。
保湿成分の中でも水分保持機能が強力なセラミドより高い保湿力を発揮することで、注目されています。
そのため短期間で肌を柔らかくする効果が期待できるんですよ。
尿素は固くなった角質層を分解して、柔らかくしてくれます。
水分と非常に馴染みが良く、肌に浸透*すると水分を捕まえて保湿。
(*角質層まで)
しっとりとした柔らかい素肌を取り戻せますよ。
かゆみ・赤み:抗炎症成分で肌の炎症を抑える
かゆみやヒリヒリした痛み・赤みは、炎症作用のある成分でケアしましょう。
そもそも痛みや赤みは、肌が炎症によって引き起こされる症状。
バリア機能低下によって外部刺激を受けた肌が、アレルギー反応を起こしているんですね。
保湿成分でバリア機能を高めるとともに、以下の成分で炎症を抑えることが大事です。
- グリチルレチン酸
- サリチル酸
グリチルレチン酸はの生薬カンゾウ(甘草)から抽出される成分。
サリチル酸は植物由来の化合物です。
どちらも天然由来なので、化学成分で荒れやすい方も使いやすいですよ。
また炎症が起きかけている時は肌が敏感になっているので、ワセリンなど皮膜作用のあるアイテムで皮膚を保護しましょう。
油性のクリームがデリケートな皮膚を覆い、肌トラブルの悪化を防いでくれますよ。
乾燥だけでなく赤みや湿疹がひどくなってきたら、乾燥性皮膚炎の可能性があります。
乾燥性皮膚炎は「皮脂欠乏性湿疹」とも呼ばれ、肌の乾燥によって引き起こる皮膚炎。
強いかゆみや水ぶくれなどの湿疹が現れます。
医療機関で症状に合わせた治療が必要です。
抗ヒスタミン薬やステロイド外用剤などを処方してくれますよ。
湿疹のような症状が続くなら、一度専門医で診てもらいましょう。
肌の乾燥予防もチェック!覚えておきたい生活習慣
ドライスキンを予防するなら、次のような習慣を心がけてください。
- 保湿成分配合の入浴剤を入れてお風呂に入る
⇒お湯の温度は40度ほどに設定 - 洗浄力の強い洗顔料やオイルクレンジング剤を避ける
- 肌をゴシゴシこすらない
- 最低6時間以上は睡眠をとる
⇒睡眠環境を整える - ビタミンB群が豊富な食事を心がける
⇒大豆食品、アボカド、卵、バナナ、肉類など - 日焼け止めで紫外線対策を欠かさない
- 室内の湿度が50%以下にならないように管理
⇒加湿器を使う - 1日1.5リットル以上の水を飲む
まず肌の乾燥を一番に招くのが、お風呂のタイミング。
保湿効果のある入浴剤を入れてお湯に浸かれば、全身をくまなく保湿ケアできますよ。
最近ではセラミドをはじめとする保湿成分配合の入浴剤も登場しているので、チェックしてください。
さらに洗顔量やクレンジングは、肌の潤いを守りながら洗える弱酸性・アミノ酸がおすすめ。
洗うときはゴシゴシこすらずに、泡を転がすように洗うことを意識しましょう。
また食生活に偏りがある方は、ビタミンB群が豊富な食品を積極的に摂ってください。
納豆といった大豆食品や卵、バナナなど身近な食品にたっぷり含まれているので、毎日の食生活に取り入れやすいですね。
ちなみに、体内の水分量が減ると皮膚内の水分量も乏しくなります。
カラダの中から潤いを高めるために、冬でも1日1.5リットル以上は水を飲むよう意識しましょう。
肌の乾燥は日々の習慣の積み重ねで予防できるので、できることから始めてみてください。
肌の乾燥は、バリア機能を低下させてしまう生活習慣が大きな原因。
乾燥トラブルの症状にあわせた保湿クリーム・オイルを選んで対策してください。
◎症状別:保湿アイテムの選び方
- 粉拭き・皮むけ
⇒セラミドコラーゲンなど高保湿成分 - ツッパリ感
⇒尿素・セラキュートなど角質ケアできる成分 - かゆみ・赤み
⇒グリチルレチン酸・サリチル酸など抗炎症成分
◎肌の乾燥を防ぐ習慣
- 保湿成分配合の入浴剤を入れてお風呂に入る
⇒お湯の温度は40度ほどに設定 - 洗浄力の強い洗顔料やオイルクレンジング剤を避ける
⇒弱酸性・アミノ酸の成分を使う - 肌をこすらない
- 最低6時間以上は睡眠をとる
- ビタミンB群が豊富な食事を心がける
⇒大豆食品、アボカド、卵、バナナ、肉類など - 冬でも日焼け止めで紫外線対策をする
- 室内の湿度が50%以下にならないように管理
⇒加湿器などで対応 - 1日1.5リットル以上の水を飲む
肌の乾燥を防ぐためにも、入浴方法や睡眠時間・食生活の見直しは大切。
保湿ケアばかりに気を取られていた方は、肌の乾燥を防ぐ習慣も意識するとベターです。
体の内側から整えていけば、保湿ケアの効果も一段と実感できますよ。
ケアと予防で水分が満ちた艶やかな肌を目指しましょう。
参考献文
FUJIFILM
「微量の紫外線でも、肌が乾燥するメカニズムを解明さらに、肌の保水成分の分解を抑制する成分を発見」
くすりと健康の情報局
「乾燥肌の原因」
第一三共ヘルスケア
「乾燥肌(ドライスキン)」
結城病院
「皮脂欠乏性皮膚炎」
