「背後に立たれた時に、匂っていないかドキッとする」
「いい香りのするシャンプーでニオイをカバーしたい」
と、頭皮のニオイが気になる方も多いのではないでしょうか。
ただニオイケアに特化しているメンズシャンプーでも、間違ったケア方法では逆効果…。
そこで自分に合ったメンズシャンプー選び方や、理想とするいい香りについて詳しく解説していきます。
クリーンな頭皮で清潔感を出したい方は要チェックです。
【この記事で分かること】
- ニオイの原因は、皮脂と汗の過剰分泌
- ニオイ対策のカギは、頭皮タイプに合った洗浄成分
- いい匂いとは清潔感のある香り?香りの種類
- いい香りを持続させるためのシャンプー方法
男の臭いの原因は皮脂・汗による雑菌の増殖
頭皮の嫌なニオイの原因は汗や皮脂。
もともとの体質だけでなく、生活習慣の乱れで過剰分泌しやすくなります。
- 肉中心の食生活
→悪臭の原因物質が体内に溜る - 脂っこい食事の偏食
→皮脂の分泌量が増える - 寝不足
→頭皮環境の悪化 - 心身のストレス
→血行不良
ただ、頭皮のニオイは汗や皮脂そのものが臭っているわけではありません。
頭皮のニオイの原因は、人間の体に存在する常在菌。
汗や皮脂が過剰にでると、それをエサにして必要以上に繁殖し臭いを発生させます。
汗をたくさんかいてモワンと匂ってくるのは、菌のせいだったんですね。
特に男性は女性より汗をかきやすく、皮脂量も多いのでよりニオイが強くなる傾向があります。
毎日のシャンプーで、汚れをしっかりリセットすることが大事ですよ。
40代以降は加齢臭にも注意
40代以降のメンズは、ミドル脂臭も頭皮が臭う一因。
いわゆる加齢臭と呼ばれるもので、使い古したアブラのようなニオイがするのが特徴です。
ミドル脂臭は、40代になると増えるジアセチルという物質が引き起こしています。
ジアセチルは、油(皮脂)に取り込まれる性質。
皮脂がでることで蓄積されて、ニオイがキツくなっていきます。
また加齢すると、皮脂の質も洗い落ちにくく、ねっとりしたものに変わります。
なかなか皮脂が落ちないので、洗っているのに臭う…という現象が起きてしまうんですね。
ミドル脂臭は主に後頭部と首の後ろから発生していて、微量でもニオイやすいのがネック。
まずは頭皮の状態にあったメンズシャンプーを使って、正しく洗うことが大切です。
(参考:株式会社マンダム『40代は男の人生で最もニオイがキツイ要注意世代』)
市販メンズシャンプーの選び方は洗浄成分がカギ
メンズのニオイ対策は、頭皮のタイプに合う洗浄成分(界面活性剤)を選ぶのが最優先。
- アミノ酸系
→乾燥によるかゆみ・ツッパリ感
→水性ワックス・ワックスを使用しない
→オフィスワーク
→市販のシャンプーは合わない…と感じる - 高級アルコール系
→頭皮が油っぽい
→ハードなワックスを使用
→学生のころニキビができやすかった
アミノ酸シャンプーは、頭皮・髪が乾燥しやすい方・しやすい環境にいる方におすすめです。
余計な皮脂汚れのみを洗い流し、皮脂のバランスをコントロールします。
頭皮環境を整えて、ニオイを抑えてくれますよ。
一方、高級アルコール系は、頭皮がすぐ油っぽくなる方、整髪料を使用している方におすすめ。
洗浄力が強いので、ベタついた頭皮をさっぱり洗い流してくれます。
ただし高級アルコール系シャンプーは、皮脂を落としすぎる可能性も…。
通常の状態に戻そうと余計に皮脂を分泌させ、かえって臭いの原因になりかねません。
「きちんとケアしているのにすぐ脂っぽくなる」
「頭皮以外は乾燥しやすい」
といった方は一度アミノ酸シャンプーに切り替えてみてください。
洗浄成分の見分け方は、パッケージの成分表示を確認しましょう。
アミノ酸 | ココイル~ ラウロイル~など |
高級アルコール | ラウレス硫酸Na ラウリル硫酸Naなど |
アミノ酸シャンプーの場合は、パッケージに『アミノ酸』と記載されていることもあります。
表示に注目してくださいね。
▶シャンプーの界面活性剤は体に悪い?洗浄成分で見極めるやさしいシャンプーの選び方
メンズシャンプーの選び方について更に詳しく知りたい方はコチラ!
ニオイケア成分にも注目
より確実にニオイケアをしたい方は、成分(有効成分)にも着目しましょう。
選ぶときは、薬用シャンプー(医薬部外品)の記載があるとベター。
中でも、下記の成分が配合されているアイテムがおすすめです。
- グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2K)
- サリチル酸
- ピロクトンオラミンなど
- 柿タンニン…加齢臭を抑えるなど
『薬用』と表示できるのは、厚生労働省の認可を得られた商品だけ。
頭皮のニオイに対して効果が認められる「有効成分」が含まれています。
「化粧品(※)」と「薬用化粧品」の大きな違いは「有効成分」が配合されているか、いないかということです。
(※)ここでの化粧品は医薬品・薬用(医薬部外品)以外のシャンプーのこと。
また「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「フケ・かゆみを防ぐ」といった表記のあるシャンプーも、ニオイケア効果が期待できるでしょう。
さらに注目したいプラスαの成分
ニオイケア成分の他にも、髪や頭皮の保湿など+αの成分が入っている製品もあります。
- 緑茶エキス…臭いの主成分を吸着、中和
- リンゴ果実培養細胞エキス…頭皮環境を整える・ハリ・コシ
- ペプチド…ハリ・コシ・保湿
- 植物オイル…保湿
特にニオイケアには、頭皮を乾燥させないことも重要。
保湿成分が配合されているアイテムを選ぶのをおすすめします。
いい香りのメンズシャンプーとは?清潔感のある香り
一般的にメンズ向けのいい香りとは「清潔感のある香り」が浸透しています。
清涼感のある香りと一言でいっても、当然ながら配合されている成分で香りは変わります。
好みやイメージに合わせて選ぶといいでしょう。
フローラル系 | 花の香りがベース ローズ ジャスミン ラベンダーなど |
シトラス系 | 柑橘系がベース ライム レモン グレープフルーツ マンダリンなど |
オリエンタル系 | バニラなどの香辛料 ムスク |
ハーバル系 | ハーブの香り |
一般的によく使用されているのは、さわやかで明るい印象を与えてくれる「シトラス系」や、落ち着いた感じの「ウッディー系」の香り。
オリエンタル系は少しスパイシーな甘さで、大人の男性のイメージです。
おすすめは、植物系エキス配合のもの。
特にハーバル系は頭皮や髪を健やかに保ちつつ、ナチュラルな心地よい香りが漂いますよ。
人工香料と汗臭や加齢臭が混ざり合うと、余計臭いがきつくなることがあります。
いい香りで嫌な臭いを打ち消したい方は、天然の植物エキスなどで香りをつけているシャンプーがおすすめです。
万人ウケを狙うなら、「主張しすぎない、自然な香り」を心がけてみてくださいね。
いい匂いを持続する正しい洗髪方法
シャンプーの良いニオイを持続させるには、正しい方法で洗うことも大切です。
- 予洗いをしっかり行う
→36~38℃のお湯で1分以上 - シャンプーを適量手に取る
→1プッシュ - 軽く泡立てる
- 生え際→頭頂部→後頭部(1往復)
- すすぎ残しがないようにしっかり洗い流す
特に「強く洗い過ぎない」「すすぎ残しをしない」の2つを心がけましょう。
まず予洗いは、髪ではなく頭皮を洗うのを意識してください。
シャンプーの量は半~1プッシュでOK。
良い香りを持続させたいから…とたくさん使うのは逆効果なので要注意ですよ。
洗う時は、指の頭で爪を立てずに優しく洗いましょう。
ちなみにハードな整髪料は1回で落ちきらない場合もあります。
無理にゴシゴシ洗おうとせずに優しく2度洗いしてくださいね。
すすぎは頭皮を中心に丁寧に。
耳の後ろや襟足などすすぎ残しが多いので、注意しながらすすいでください。
またシャンプーの香りをより持続させたいのなら、シャンプーとトリートメントを同じシリーズで揃えるのもおすすめですよ。
シャンプーのタイミングと回数も重要
シャンプーは1日1回、夜にするのがベストです。
1日2回以上洗ってしまうと、必要な皮脂まで奪って頭皮の乾燥を招きかねません。
かえって皮脂の過剰分泌につながる恐れがあるので、洗いすぎは控えましょう。
脂っぽさが気になるときは、頭髪に負担にならない方法がベター。
- 濡れた薄手のハンカチで頭皮を拭く
- ドライシャンプーを使用する
- 湯シャン(お湯だけで洗髪)する
など、工夫するようにしてください。
週に1回、頭皮のディープクレンジングもおすすめです。
普段のシャンプーでは落としきれない、毛穴に入り込んだスタイリング剤や皮脂汚れを落としてくれます。
しっかり汚れを落とすことで、良い香りも持続しやすくなりますよ。
洗髪後はドライヤーですぐ乾かそう
髪の毛が短いからと、自然乾燥させている方は要注意。
頭皮に水分が残っていると感じたら、必ずドライヤーで乾かしましょう。
- ブラッシング
- タオルドライ
→優しくたたく - 温風で根元から乾かす
洗髪後はできるだけ早くドライヤーを使うのがベター。
髪を濡れたままにしていると、雑菌が繁殖して臭いの原因になります。
タオルドライは力を入れすぎず、髪を包み込むように。
頭皮をしっかり乾かすことを意識してくださいね。
ニオイは、人に与える印象を左右します。
クリーンな印象を与えるには、毎日のシャンプーを見直すことが大切です。
選び方と洗い方のポイントは以下の通り。
- アミノ酸シャンプー
消臭…薬用【毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ】
香り…植物バーブ系 - 正しい方法で丁寧に洗う
強く洗い過ぎない・すすぎ残しをしない
臭いケアに効果的なシャンプーを使えば、気になるニオイから解放されますよ。
ほんのり香る爽やかな香りで、印象を格上げしましょう。
日本化粧品化学連合会JCiA,
『化粧品用語解説』』
参考献文
柿澤 恭史 ライオン株式会社 研究開発本部 先進解析科学研究所,
『洗浄料とその作用』,
日本香粧品学会誌/42 巻 (2018) 4 号/p. 270-279
サントリー健康科学研究所/龍口 巌,松岡 龍雄,泉 玲子,伊地智 節,柴田 浩志,
『ポリフェノール配合石鹸による中高年男性の加齢臭低減効果』,
におい・かおり環境学会誌/43 巻 (2012) 5 号/ p. 362-366
