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今更聞けない「ヴィーガン」とは?ベジタリアンと違う?メリットや食生活を詳しく解説

今更聞けない「ヴィーガン」とは?ベジタリアンと違う?メリットや食生活を詳しく解説

レストランやSNSなど、巷でよく耳にする「ヴィーガン」。

健康志向・菜食中心のイメージが強いかもしれませんが、
「ヴィーガンって野菜だけで不健康じゃない?」
「どんな料理を食べているの?」
など、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで、ヴィーガンの目的やメリット・デメリット、ベジタリアンとの違いについてわかりやすく解説。
さらにヴィーガン生活の始め方まで紹介しています。

ヴィーガンについて理解を深めたい方・実践してみたい方は必見です。

【この記事で分かること】

  • ヴィーガンは動物食品禁止の完全菜食スタイルのこと!
  • ヴィーガンと「ベジタリアン・マクロビ・フレキシタリアン」との違い
  • 野菜ばかりで不健康?ヴィーガンの効果とデメリット
  • ヴィーガンの食生活と始め方のコツ

ヴィーガンとは?ビーガンを選ぶ意味や理由

ヴィーガンの定義は動物を摂取しないことヴィーガンとは、肉・魚・卵といった動物性の食品を一切食べない生活スタイルのこと。

新しいスタイルに思えますが、実は1944年に生まれた歴史のある食事方式です。

ヴィーガンは、動物を搾取*することなく生きることを目的としています。
*自分本位に、または非倫理的に利用すること。
つまり他の動物の命・生活も尊重するのが本来の趣旨なんですね。

「Veganisimとは、可能な限り食べ物・衣服・その他の目的のために、あらゆる形態の動物への残虐行為、動物の搾取を取り入れないようにする生き方」である。

(出典:ヴィーガニズムWikipedia)

ヴィーガン志向の理由によっては、食品だけでなく化粧品や衣類なども動物性由来のものを使わないと徹底されていることも。

このように、ヴィーガンは動機ごとに3つのタイプに分けられます。

  • ダイエタリー・ヴィーガン(健康主義)
    ⇒健康のために動物性食品を摂らない
  • エンバイロメンタル・ヴィーガン(環境主義)
    ⇒動物性食品の畜産の過程で生じる環境破壊を防ぐ
  • エシカル・ヴィーガン(動物保護)
    ⇒動物愛護のために動物性食品や製品を避ける

ヴィーガンになる理由として、健康目的のイメージが強いかもしれません。
実は動物の権利保護や環境保護のためにヴィーガンを選ぶ人もいますよ。

ヴィーガンとベジタリアン、マクロビ、フレキシタリアンの違い

他の菜食主義との違いは動物性の摂取ヴィーガンと他の菜食主義は、主に摂取できる食品が異なることが大きな違いです。

  • ヴィーガン:動物性食品を一切摂取しない
  • ベジタリアン:肉や魚は摂取しないが、卵や乳製品はOK
  • マクロビオティック:肉類を控えて、玄米や野菜を中心に食べる
  • フレキシタリアン:野菜中心だが、たまに肉や魚を食べる

大きなくくりで菜食主義とされていますが、それぞれ背景や目的が違います。
そのため動物性のものを完全に摂らないかどうかが変わるんです。

例えばヴィーガンは動物性食品を一切摂りませんが、ベジタリアンは卵や乳製品は食べてもOK

マクロビやフレキシタリアンは野菜中心ですが、肉類を禁止しているわけではありません。
あくまで控えるだけなので、たまに摂取することもあるんですよ。

また先述のとおり、ヴィーガンの志向によっては動物が関わるコスメや衣類も使用しないのも特徴。
“生活スタイルまるごと動物性のモノを避ける”のが、ヴィーガンと言えるでしょう。

ヴィーガンは不健康?完全菜食生活のメリット・デメリット

動物性製品の摂取・使用を避けるヴィーガンは、健康や環境に貢献できる可能性も高いです。
ただ食生活において、栄養が偏らないか不安に思う方も多いはず。

そこでヴィーガン生活のメリット・デメリットを比較してみました。

【メリット】

健康維持に効果的
→内臓脂肪の減少・便秘改善

【デメリット】

正しい知識がないと栄養が偏りやすい
→代謝の低下・肌荒れなど

【メリット】健康維持や環境保護に効果的

ヴィーガン食は食物繊維を豊富に取り入れられる普段は取りにくい食物繊維やビタミン類が積極的に摂れるのが、ヴィーガン食のメリット。

  • 内臓脂肪の減少
  • 便秘解消
  • 温室効果ガスの削減に繋がる

肉や卵などはカロリーが高く、脂肪(脂質)であるコレステロールを多く含んでいます。
食べすぎてしまうとカロリーオーバーになりやすい傾向も…。

その点、ヴィーガン食は野菜中心になるので、カロリーやコレステロールの蓄積を抑えることができるんですね。

またビタミンや食物繊維が豊富な野菜を多くとることで、便秘の改善にも効果的ですよ。

ちなみにビーガンの食事にすることで、温室効果ガスを70%削減できるとオックスフォード大学が発表しています。

ヴィーガン生活に変えることは体の改善だけでなく、環境保護にも役立つんですね。

【デメリット】正しい知識がないと栄養が偏る可能性

栄養バランスを意識しないと偏りやすい一方で、食に対する正しい知識がないと栄養が偏りやすくなるのがヴィーガンのデメリットです。

  • 集中力の低下…タンパク質・アミノ酸不足
  • 肌・毛髪トラブル…タンパク質・アミノ酸不足
  • 貧血…ビタミンB12不足

ヴィーガン生活は、動物性食品に含まれるタンパク質や亜鉛、カルシウムが不足しがち

特にタンパク質は人間の体に大切な三大栄養素の1つで、肌や髪の毛を新しくつくるのに必要です。
不足すると肌荒れや抜け毛を起こしやすくなります。

また魚介類やレバーなどに多く含まれるビタミンB12の摂取量が減ると、貧血になる可能性も…。

トラブルを防ぐためにも、食品ごとの栄養価を把握することが大切ですよ。

【不足しやすい栄養素も食品によっては補える!】

ヴィーガン生活でも、食品を工夫すれば不足しやすい栄養も摂取できます。

まずは摂取可能な食品をきちんと理解してバランス良く食べることが、快適なヴィーガン生活のカギになりますよ。

タンパク質を多く含む大豆(きな粉、豆乳、納豆、豆腐など)
ゴマ
のり
カシューナッツ
アーモンドなどのナッツ類
ビタミンB12を多く含む海苔などの海草類

 

ヴィーガン料理はどんなもの?代用食品で幅が広がる

豆乳や大豆ミートなど代替食でヴィーガン食を楽しむここからは、実際にヴィーガン生活で食べられる食品について詳しく見ていきましょう。

  • 野菜類
  • 穀類
  • 海藻類
  • 豆類
  • 木の実
  • 果実

ヴィーガンの料理は、日本でいう精進料理に近いイメージです。

穀物が植物性なので、ヴィーガンでもお米や麺類はOK。
乳製品やお肉は、大豆をつかった豆乳大豆ミートで代用しています。

白砂糖は製造工程で牛の骨粉が用いられるので、白砂糖を使わないヴィーガンも。
この場合、甘味料は黒砂糖やメープルシロップ、甜菜糖などを代用します。

ただスイーツの多くには乳製品が含まれているので、ケーキなどは基本NG…。
しかし植物性の甘味料をつかえばチョコレートやケーキも作れるので、工夫次第でスイーツも食べられますよ。

「ヴィーガン レシピ」で調べると、ヴィーガンレシピがたくさん出てくるのでチェックしてみてください。

ヴィーガン生活の始め方!日常的に取り入れるコツ

食事だけじゃない!できることから始める「ヴィーガン生活って難しそう…」という方は、できることから少しずつ取り入れてみるのもアリ。

  • サラダやスムージーで気軽に始める
  • ヴィーガン向けのフェイクフードを食べる
    →大豆ミート・豆乳など
  • ヴィーガン対応レストランで食べてみる
  • ヴィーガンレザーを使う
    →またはレザー・動物ファー商品の購入を控える
  • 動物実験をしていないコスメを選ぶ

はじめは「朝ごはんをスムージーにする」「カフェではソイラテを頼む」といったところからスタート。
たとえば、「普段口にしているものを1つだけヴィーガン食品に変える」だけなら簡単ですよね。

最近では、植物性食品でつくられたフェイクフードもスーパーなどに登場しています。
ヴィーガン向けのレストランも増えているので、まずは既製品やレストランで手軽にヴィーガン食を体験してみてください。

ヴィーガンの食習慣に慣れてきたら、ヴィーガンレザーを使った製品やヴィーガンコスメも試してみましょう。

毎週○曜日はヴィーガン食」と日にちを決めると、無理なく簡単に取り組めるのでおすすめですよ。

ヴィーガンは動物の権利を重んじる活動。
動物が関わる製品全般を避けるため、自分の健康だけでなく環境・動物保護にも貢献できます。

ただいきなりヴィーガン生活を徹底するのは、ややハードルが高め。
かえって不健康にならないために、まずはできる範囲から始めてみるのがベターです。

  • 代替え品を使用する
    肉→大豆ミート
    牛乳→豆乳
    砂糖→黒砂糖・メープルシロップ
  • ヴィーガン対応レストランで食事する
  • レザーを購入しない
  • 動物実験をしていないコスメを選ぶ

大切な動物や環境と一緒により良い未来を作っていきましょう。

【参考文献】

OXFORD MARTIN SCHOOL,
『Plant-based diets could save millions of lives and dramatically cut greenhouse gas emissions』

ABOUT ME
eriko
1986年生まれ。地元は浅草の江戸っ子。 10年間エステサロンに勤務し、店長としてトータルビューティーの施術やアドバイスを行う。 「ナチュラルな美しさの追求」「正しい美容情報の発信」をモットーに、日々の情報収集は欠かしません。 日常のケアでお悩みの方のお役に立てるよう、こだわりのコンテンツを作成しています!